(関連目次)→厚労省の問題点 他科でも顕著な医療崩壊
(投稿:by 僻地の産科医)
昨日、お送りした
の記事について、いろいろな意見がありました。
くらいふーたんさまの、
確かに「再建」だ
サッカーと地域医療の部屋 2009年01月29日
http://medicalfootball.blog69.fc2.com/blog-entry-310.html
とか。
中には
「非常勤でこのまま頑張ったらどうかなぁ。」
なんて意見もありました。
常勤に示せるだけのプライオリティが
もはやがんセンターにはないんじゃないか?
このまま私学に甘えては?というご意見でしたけれど。
でもこの態勢は持たないんじゃないかな?
というのがわたしの感想です。
まず、
宮下先生は潰れるんじゃないか
という心配をしています。
巨大なシステムエラーを、
一人の個人の努力と、個人的なツテで
ナントカしようとしているから。
一人で竹やり握ってB29に立ち向かおうと
しているようにしか見えないんです。
また変えようとしている人間は、
もう元気に中年以上になった方々(権限つき)
そう簡単に変えられません。
現場に近いコメディカルでも人を変えるのは難しいのです。
現場から遠い役人さん、しかも相当数のエリート様方を
現場の医師の力では変えられません。
それから、
「大学教授までお手伝い」
という記述をみてピンときました。
「バイト料、相当低いな!」ってこと。
「教授がやる」
「それなら、仕方がない。医局員も頑張ろう」
とならざるをえないのを狙ってないかな?
他の会社だって、社長が他社の前のどぶさらいを善意でしていたら
内心どうあれ、過労死寸前でアレ、やらざるをえないでしょ?
そういうことなんだと思ったんですo(^-^)o ..。*♡
「結局お金か」と思われそうですけれど、
人間には限られた時間しかありません。
大学院生は、
「学費払って」
「大学病院でただ働きさせてもらってる」
立場であり、
・生活費
・学費
・医局費
・学会会員維持費(専門医維持、あるいは専門医とるための)
を捻出しなければならず、
臨床(ただ働き)の合間にできたわずかな時間の中から、
「卒業できるように研究も論文が仕上がる程度には
しなくてはならない」時間も多少残しつつ、
残った時間を家族のために切り売りして、
人がいいヤツは断りきれずに当直増やして、
家にあんまり帰れなくって、
そんな馬鹿みたいな、
身体の切り売りみたいなことやっているんです。
人手は余っていないし、時間も余ってない。
ちなみに保障もない。
(過労死しても、労災を認められるとは思えず)
「バイト」代は自分の時間と身体そのものの切り売りです。
だから「不当」に安いのは、自分の大安売り。
そんなの長続きしないし、私学の好意だっていっても、
教授だってこんな所抱えていることで、
大量脱局されることだってありえるわけですから、
かなり危ない橋を渡っています。
承知でしょうけれどね。長続きしません。
そもそも麻酔科含めて、産婦人科もそうなんですけれど、
崩壊している科って、
すごく非常勤(バイト)のお値段がいいのです!
常勤の2-3倍。しかもオンオフしっかりしている。
経済というのは「需要」と「供給」で決まりますから、
代務料は法外に上がり続けています。
同じ相場なのは水商売くらいじゃないかと思います。
水商売の時給知りませんけれど、同じくらいじゃないかな。たぶん。
国公立機関にはこの速さについていけません。
いくら努力しても「鼻で笑われる」ような代務料しか出せないんです。
(上げようとしても手続きが面倒くさく、裁量に時間かかりすぎます。
その間にも人は辞めますし、常勤医はボロボロになっていきます)
その態勢でボロボロでも
とにかく走り続けるがんセンター。
本当の所は「再建」どころか、ヤバイ臭いしか感じられません。
頑張っていらっしゃるのは認めますけれど。
(私にも覚えがあります)
だけど。
自分ひとり頑張ればいい状況ならともかく、
みんなを動かして、説得して、状況変えるための交渉もして、
正直、身が持たないのじゃないのかな?と思います。
だからって、宮下先生(面識ありません)を応援していない訳ではなく
単に心配しているだけなのですけれどね(>▽<)!!!!
巨大なシステムエラーを、
一人で支えるのは無理です。
甘えで長続きさせるのも無理です。
これを「再建」というなら、土台工事の危うい再建です。
どうか、周りの方々にお願いしたいのは、
宮下先生を孤立させないように
「気を配ってあげてください」ということです。
そして代務料をできるなら速やかに市場価格まで上げてください。
代務料は、代務医のために払うのではありません。
残ってくれている常勤医のために払うのです。
常勤の手当てを引き上げるのは、その常勤医のためではありません。
「次の常勤医」を呼んでくるために上げるのです。
宮下先生を使い捨てないで下さい!
多くの医師と同じように、使い捨てないでください!
どうか、事務方一丸となって、
がんセンターを支えてくださるようお願いいたします。
そうでなければ、手技的に難しい症例の患者さんたちは
どこへいったらいいのでしょうか?
がんセンターが普通の病院に
なってしまってはいけないと思いますo(^-^)o ..。*♡
周囲の権限の無い人間が宮下先生を助けようとしても、権限のある人間が邪魔したら無理なのでは?中年以上の方々は総論は賛成ですが、自分の権限の及ぶ範囲に来ると各論で反対しますからね。
赤字も膨大(600億?)だし、そう簡単に厚生労働省が人件費のアップに応じるとも思えませんが。
投稿情報: 院生 | 2009年1 月30日 (金) 12:53
そうなんですよねo(^-^)o ..。*♡
なので、手詰まり感を感じます。
権限のある人はかわってくれないから。
一番かえるのが難しいから。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2009年1 月30日 (金) 14:44
厚労省のコントロール下にある国立ガンセンターで鵜飼い麻酔をさせているのだから、鵜飼い麻酔は加算できるようにするべきだろう。こんなことでごまかすのだったら、掛け持ち麻酔でもいいじゃないか。
安全な医療、質の高い医療に金をかけずに、根性だけでできるわけない。
いままで、無理をしてごまかしてきたことが破綻しただけなのだから、もう無理をして責任をとらないやつらのためにつじつま合わせをするのはやめにしよう。
投稿情報: タカ派の麻酔科医 | 2009年1 月30日 (金) 16:56
言いたいことは全て言ってくれましたね(笑)
特に、崩壊している科の方がパート料高いのは、本当にそう。ただ、10年前はそうじゃなかったような気がしません?内科医は月に3,4回の当直で生活費が稼げるように当直料が高く、産科医は当直回数が多いから単価は抑えられていたような気がします。うちの県の周辺だけかな。
もちろん、うちの県でもこの10年で5倍にはなっています。
でも一つだけ言いたいのは。
「ただ働き」は全く推奨しませんが、やっぱり研究の楽しさを知る機会は欲しいということ。そして、臨床の感覚を持っていてこそ基礎の先生や世界中の研究者と渡り合えるということ。理想を語っているように見えるかも知れませんが、ブログ主先生には僕の正体が分かるので、ただの現場を知らない理想論者でないことは分かりますよね?
悪夢のような毎日を過ごしてきましたが、いまの日本のボスも、海外の大ボスで僕の第二の父も、言うことは同じ「Think Positive」です。いつかいまの日本のシステムが崩壊した時に、役に立つのはいまあきらめずに自分のキャリアを考えて頑張った人間。「病院のため」「自治体のため」に頑張るかどうかはここでは関係なくです。
新入医局員が頑張れるような環境を作ってあげるのが中堅以上の仕事で、自治体のプレッシャーをはねのけるのも仕事。そういう上司に恵まれて、そうやって下を指導しようとしています。まとめて言うと、「まだ、あきらめてません。嫌ならやめろ委員会の皆さん、ごめんなさい(苦笑)」といったところです。
投稿情報: 都会周辺の田舎の産科医 | 2009年1 月31日 (土) 20:15
正体わかりましたo(^-^)o ..。*♡
(いつもメルアドはみていないのですが)
コメントありがとうございます。
「まだ、あきらめてません。
嫌ならやめろ委員会の皆さん、ごめんなさい(苦笑)」
同感です!といいたい所ですけれどw。
産婦人科も外科も内科も、昔っから
「イヤならやめろ委員会」と同じ事言ってきたと思いません?勤務医って昔から根性で続けるものだったんですよね。最近つくづく思います。
(違うのは、嫌ならやめろ委員会のみなさんは多分本当にやめているって所)
むしろ医局が変わってきて
「嫌ならやめろ!」
っていえなくなったのが変化かもしれません。
でも大学病院の何がいいって、仲間が大勢いる所なんです。ピンチの時に、バックアップ体制が一応ありますし。
(少なくとも他の自治体病院などではもう産婦人科医の数が少なくって!)
仲間が少ないのってもうイヤです(>_<)!!!
あと研究はどうでしょう(笑)。
臨床研究などはいいなぁと最近思いますが、基礎研究デューティーだった時は本当に嫌でした。与えられた銘題こなすだけだったからなのかもしれませんが。
お陰さまで、動物、細胞、DNAなどのひととおりの手技は身に付けさせてもらったのと、あと多分大学以外では一生見ないであろうIVFや、ICSI用のピペットを手作りする手技(←これって本当は売ってるんですよね~。知った時は大衝撃でした!)、外病院にいけば技師さんがやってくれる採卵後の皮むきなど意味のわからない手技、それからスライド作りが異様に早くなったこととか。
いろんな技能を学ばせていただきました(^^;)。
楽しかったですよ!大学院生活。
出てから恵まれていたことに気がつくんです。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2009年1 月31日 (土) 21:47