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(投稿:by 僻地の産科医)
アメリカ・韓国の産科事情がかなり厳しいことは知っていましたが、
中国も相当なもののようです。
また、モンゴルも産婦人科不足みたい。
昨日のニュースからお伝えします(>▽<)!!
どこも大変なのね・・・。
世界の子育て:中国~我が子を置き去りに?! 高額な医療費に苦しむ 武田千夏さん
毎日新聞 2009年1月21日
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20090121org00m100011000c.html
建築現場の足場から転落して、意識が戻らない男性の話をテレビが報じていた。病院に運び込まれて3日、既に4万元以上(60万円以上)を支払ったと言う。乳飲み子を抱えた彼の若い妻は、「このまま治療を受けさせてあげたいけれど、貯金もなく、もう借りるところもない」と泣いて訴える。治療費を支払えなければ、病院からは追い出されてしまうのだ。
昨年末、深セン市のある病院に、急性リンパ性白血病の赤ちゃんが置き去りにされた。「小龍飛(シャオロンフェイ)」と目がクリっとした愛らしい男の子がニュース番組で取り上げられてから、多くの援助金が寄せられ、「愛心ママ」と呼ばれるボランティアの女性たちが、抱っこしたり世話を焼いたりする様子が連日放送された。ほどなくして、小龍飛の父親が見つかった。出稼ぎ労働者の夫婦には、治療費を工面することができず、我が子を病院に置きざりにしたのだと、父親は泣き崩れた。あかで薄汚れた顔の父親を、愛心ママたちは少しも責めず、「理解できるわ。お金もこんなに集まったし、もう心配ないでしょう?子どもにとっては親が一番なんだから」と、やさしい言葉をかけていた。
小龍飛が亡くなるまでの1カ月間、かかった費用は合計3万元(約45万円)。深セン市の最低賃金額は中国一高いが、それでも一月1000元(約1万5千円)だ
数日後、同じ病院に、また赤ちゃんが置き去りにされた。先天性心臓病を患っている生後1カ月の女の子で、週に2~3万元(約30~45万円)の治療費を払えなかったらしい。
中国の高額な医療費は、1980年代、公立病院に対する財政支援を政府が減らしたことに起因する。国からのサポートが減る分は、薬品の価格や検査料金のアップで補てんすることを政府が認め、病院は利益を優先した経営を行ってきた。非情な病院の対応が、中国全土で闇病院やニセ薬を生んだ。先日行われた『全国医療衛生会議』で、「今後3年、公立病院の改革を一部都市でテスト的に実施する」という陳竺衛生相の発表は、医療に対する不安と不満があふれ出す、ぎりぎりのタイミングだったと思う。
「病院で処方せんをもらったら、薬局に持って行って薬を買いなさい」とは知人のアドバイス。病院の薬は、同じものでも薬局より割高なのだそう。写真は「母体と子供の安全のために 出産は病院で」という垂れ幕がかかった病院玄関
子育てと医療は切っても切れない。病気になっても、ケガをしても、だれもが安心して治療を受けることのできる医療を、中国の人々は今、切実に望んでいる。
【モンゴル】 リポート 「私たちに出産する権利はないのですか」
IBTimes 2009年1月21日
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/090121/27562.html
昨年、全国で6万3000人が出産しており、2007年度比より7400人増えている。ウランバートルでは4ヵ所の産婦人病院があるが、年々受け入れ能力に問題が生じている。わが国で人口増加は良いニュースだが、産婦人病院の負担が重くなりすぎているのが緊急課題となっている。
12日、第2産 婦人病院を取材で訪問した。病院の入り口には多くの人がいる。新生児と妻を家に連れ帰ろうと待つ人のほか、大抵は入院の順番を待つ人だった。しかし、ベッ ドが不足し満員になったので、受け入れはできないと医師らが説明していた。これを聞いた妊婦らが「私たちには出産する権利もない、どこに行けばいいのです か」と不満を募らせていた。応急手当てが必要な人、あるいは陣痛し始めた妊婦を入院させるだけでベッドがなくなる。この病院はソンギノハイルハン区の住民を受け入れているが、同区の人口密度が高いため一日に50人ぐらいが訪れている。75人が入院可能なこの病院に、同日は100人もが押し掛けていた。
【参考ブログ】
青き産科医と猛き牝鹿
ssd's Diary 2009年1月21日
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2969
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