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(投稿:by 僻地の産科医)
妊婦さんに「インフルエンザワクチンいいですか?」
とよく質問されます(>▽<)!
そのインフルエンザのワクチンについて、
このような記事がありましたのでご紹介します ..。*♡
(もう、ちょっと時期を逃しましたけれど)
妊婦へのインフルエンザワクチン接種で
母子ともに予防効果
Medical Tribune 2008年11月6日(VOL.41 NO.45) p.01
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=0&order=1&page=0&id=M41450011&year=2008
〔米メリーランド州ボルティモア〕 ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部(ボルティモア)国際保健学科のMark Steinhoff教授らによると,母親が妊娠中に予防接種を受けておけば,出生した乳児も季節性インフルエンザから保護されるという。同教授らの研究では予防接種ずみの母親から生まれた乳児ではインフルエンザ罹患率が63%低く,重度の呼吸器疾患罹患率も母子ともに低いことが示された。この結果は,米ワクチン諮問委員会で提示され,このほどNew England Journal of Medicine(2008; 359: 1555-1564)に発表された。
妊婦への予防接種を推奨
6か月未満の乳児への不活化インフルエンザワクチンの接種は許可されていない。これに代わる経鼻インフルエンザワクチンも,2歳未満の乳幼児には使用できない。インフルエンザワクチンの妊婦への接種は1997年以降,米国で推奨されているが,実際の接種率は毎年約15%にすぎない。
Steinhoff教授は「乳幼児のためのインフルエンザワクチンは存在しないが,われわれの研究では,妊娠中の母親に予防接種を行うことで,乳児の感染リスクが大幅に低下することが証明された。6か月未満の乳児はインフルエンザによる入院率がきわめて高く,その入院率は高齢者やその他の高リスク成人よりも高い」と述べている。
この研究は国際下痢症研究センター(ICDDR,B,バングラデシュ・ダッカ)の研究者らと共同でバングラデシュで行われた。340例の妊婦をインフルエンザワクチン群(172例)と肺炎球菌ワクチン群(168例)にランダムに割り付け,母親と出生した乳児(解析対象316例)を24週間観察した。
その結果,乳児のインフルエンザ罹患数は,肺炎球菌ワクチン群157例中16例に対し,インフルエンザワクチン群では159例中6例で,罹患率は63%低かった。また,重度の呼吸器疾患罹患率に関しても,インフルエンザワクチン群では母子ともに低かった(乳児29%,母親36%)。
同教授は「妊婦には自身と生まれてくる子を守るためにインフルエンザワクチンの予防接種を受けるよう推奨すべきである」と述べている。
私もせっせと妊婦にワクチン勧めてます。薬は制限が多いし、重症化しやすいし、と言うことを考えたらワクチンの方が現実的。
投稿情報: 山口(産婦人科) | 2008年12 月27日 (土) 12:39