(関連目次)→病院の赤字・倒産 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
固定資産税も上がらない。
タバコ税も見送り。
で、来年はやっぱり、公立病院続々倒れる歳となりそうです(>▽<)!
公立病院、4年で2倍超の赤字
キャリアブレイン 2008年12月12日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19639.html
全国各地で公立病院(自治体病院)の休止や閉鎖が相次ぐ中、2003-07年度の4年間で自治体病院の赤字が2倍超に増えていることが明らかになった。全国に約1000ある自治体病院の経営が、この数年間で急速に悪化した要因について、総務省の「公立病院に関する財政措置のあり方等検討会」の報告書では、医師不足の深刻化や診療報酬のマイナス改定、地方財政の悪化を挙げており、国の早急な対策が求められている。
【関連記事】
国の「改革」で“無医”地域続出!?
後がない日本医療(消える病院・全5回の5)
翻弄される医療(消える病院・全5回の1)
自立支援法改正で自治体の6割超が財政支援要望
救急病院が大幅減収、医療崩壊に拍車
今国会でも、参院予算委員会で山下芳生氏(共産)が公立病院の経営悪化について政府の見解をただしている。
山下氏は、公立病院の赤字が2003年度の932億円から07年度には2006億円と2.15倍に増えていることを取り上げ、「公立病院はもともと、救急や産科、小児科などの『不採算医療』を担ってきた。このため、多くの病院が赤字だが、その原因は、個々の病院の問題というより、国政にかかわる問題だ」と追及。また、医師不足の深刻化や地方財政の悪化などについて、「その大本には、小泉内閣以来、社会保障費を毎年2200億円削減してきたことや、地方交付税を5兆1000億円も削減してきたことがある」として、麻生太郎首相の認識をただした。
麻生首相は、医師不足の深刻化や地方財政の悪化などを認めた上で、「救急や小児医療、産科などの分野で、公立病院に対する地方財政措置の充実を考えていかなければならないと認識している」と答弁した。
これに対し、山下氏は「公立病院への財政措置を決めた政府の検討会の報告が出た後に、大阪府松原市立松原病院の閉鎖が発表された。政府の対策では救われないということで、特に中小の都市にある病院への対策が抜けている。医師不足や地方財政の悪化は国が招いたことで、政治の責任で取り除かなければならない」などとして、社会保障費の毎年2200億円の削減や地方交付税の大幅な削減の中止を求めた。
公立病院 医師不足なくせ
塩川議員 財政支援求める
しんぶん赤旗 2008年12月11日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-12-12/2008121204_02_0.html
日本共産党の塩川てつや衆院議員は十一日の総務委員会で、公立病院の医師不足を解消するために、給与改善や人材確保対策などについて、自治体への財政支援を求めました。塩川議員は、公立病院の勤務医の給与は民間病院より低いために医師確保が困難だと指摘。埼玉県の公立病院の医師からは、「小児科・産科は当直が多く、肉体的・精神的に負担が大きい」「短時間勤務や休暇を取りやすくしてほしい」などの要望が寄せられていることを紹介し、「医師の絶対的な不足を解決するとともに、給与の引き上げなどの適切な対応が求められている」とのべました。
鳩山邦夫総務相は、医師不足を招いた政府の抑制策について、「見誤っていた。絶対の反省をすべきです」とのべました。塩川議員が自治体への財政支援を強調したのに対し、厚生労働省は新たな国庫補助制度として、公立病院を含む産科医と救急医の手当てについて、自治体負担がなくても三分の一を補助する措置を導入すると答えました。
鳩山総務相は、医師確保のための地方財政措置について、「不採算部門を担っており、経営努力による解決には限界がある」と指摘。「医師の処遇改善はもとより、必要な医療の供給体制が確保できるよう、財政措置の充実に向けて努力する」とのべました。
石西厚生連が破産申請 津和野・共存病院など運営/島根
読売新聞 2008年12月13日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20081212-OYT8T00656.htm
今年3月、町設民営に移行した、津和野町の津和野共存病院や、老人保健施設「せせらぎ」などを運営する、同町の石西厚生農業協同組合連合会(青木和憲会長)が12日、松江地裁に自己破産を申請し、破産手続き開始の決定を受けた。負債総額は約7億4800万円。病院入院患者は64人、施設入所者は95人に上るが、当面、破産管財人によって事業は継続される予定。同町日原の日原山村開発センターで同日、記者会見した青木会長は、「このような事態を招き申し訳ない」と頭を下げ、「患者さんには決して、ご迷惑をかけない」と述べた。
同厚生連は、病院など4施設の元々の設置・運営主体だったが、施設新築や改築時の借入金など長期債務がかさみ、経営が悪化。町は地域医療を守るため、約13億円で土地や施設、機器を買い取り、町立施設として存続させ、同厚生連を指定管理者として引き続き運営にあたらせていた。青木会長らは会見で、職員退職金準備に必要な約6億5000万円が十分積み立てられていないことや、3月以降10月末までに看護師11人を含む34人が退職し、補充が出来ずにいることなどを明らかにし、「将来的な資金ショートが必至と判断した」と説明。11日の緊急理事会で破産申し立てを決めたという。職員190人には12日、説明した。
一方、同町は、同厚生連の負担軽減のため、日原診療所の運営を分離し、町などの出資で設立する新しい医療法人に任せるよう準備中。同厚生連側は、破産管財人が全職員を再雇用して今年度末まで運営を担い、来年度からはこの医療法人へ引き継がれることを期待しており、町もその意向を受け、対応を検討している。会見に同席した中島巌町長は「遺憾なことで、今後の対応にも苦慮している」としながら、「全く想定していなかった事態でもない。医療の灯を消さぬよう、全力を尽くす」と語った。
浜松社保病院休診へ 来年3月 赤字経営、医師半減
静岡新聞 2008年12月13日
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20081213000000000009.htm
浜松市中区の総合病院「社会保険浜松病院」(小谷野憲一院長)が医師不足から来年3月で休診となる見通しであることが12日、分かった。社会保険病院の見直しの一環で今秋、社会保険庁から運営を引き継いだ「年金・健康保険福祉施設整理機構」が新たな運営の受け皿を探すとみられるが、引き受け手となる医療法人などが実際に現れるかは不透明だ。
社保庁が同日までに、市内関係者らに赤字の続く同病院の経営環境などを説明して事実上、継続が困難なことを伝えた。15日にも社保庁関係者が同市役所を訪れ、詳細を協議する。少人数の医師で、健診事業などは継続する可能性もあるが、市側は引き続き診療の継続を関係者に求めていくとみられる。
199床の同病院は市南部地域の医療を支える拠点病院。内科、消化器科など16科目としているが、医師不在で休診中の科も多い。4年前に22人いた常勤医師は現在11人に半減し、来年度、さらに異動などで医師が減少することになり、入院患者を受け入れるのは困難と判断したとみられる。
同病院をめぐっては、今年6月にも運営が困難な状況になり、浜松医大に支援を要請した経緯がある。同病院事務局は「厳しい状況なのは確かだが、大学医局や機構からは何も聞いていない」と困惑した様子。
一方、市関係者は「6月の時点から結局、何も変わらなかった」と険しい表情で語り、「病院は2次救急にも指定されている。休診が現実になれば、医療戦略を見直さなければならない」と話している。
県立宮古病院:未収金2億円超 運営に支障を来す/沖縄
毎日新聞 2008年12月13日
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20081213rky00m040007000c.html
県立宮古病院の安谷屋正明院長は12日、記者会見を開き、患者から治療や診療代金を回収できていない未収金が1991年度から2008年11月末までの累積で6071件で約2億92万円と初めて2億円を超え、運営に支障を来していることを発表した。前年同期比で約2000万円増加した。
病院によると、宮古島市の国保税が上がったことや低所得者の増加も背景にあり、未収金が発生する患者の多くは支払い能力がない生活困窮者や全額負担となる無保険者。高額な手術や入院の費用を一括で支払えない場合もある。一方、支払う能力がありながら支払わない事例もあり、法的措置も検討している。
安谷屋院長は「年々、未収金が増えるが、医療の対価がなければ病院は運営できないことを地域住民に認識してほしい。高額医療に適用される制度もあるので院内の『何でも相談室』や医事係へ相談してほしい」と呼び掛けた。問い合わせは宮古病院0980(72)3150。
県立病院4項目で数値目標 改革プラン骨子まとめる
福井新聞 2008年12月13日
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=5822
多額の累積赤字を抱える福井県立病院の経営改善に向け、県は来年度から3年間を実施期間とする改革プランの骨子をまとめた。経常収支比率や一般病床利用率など4項目に数値目標を設定。経営の効率化と医療の質、患者サービス向上の両立を目指す。
国は全国の公立病院の経営改善に向け、2007年12月にガイドラインを示し、病院を運営する自治体に改革プランの策定を求めた。県は来年の2月県会にプランの正式案を示し、年度内に策定する方針。骨子では、現在の経営課題として、病床利用率の低さや入院患者1人1日当たりの収入の低さ、医業収益に対する職員給与費の割合の高さを指摘。医業収益増と経費節減、医療スタッフ確保、経営マネジメント強化を基本方針とした。
数値目標は▽一般病床利用率(07年度実績83.8%)▽平均在院日数(同15日)▽職員給与比率(同58.9%)▽経常収支比率(同82.8%)―の4項目で設定。2011年度までに達成すべき具体的な数値や、ほかに盛り込む事項があるかを今後検討する。
具体的には、地域のかかりつけ医と連携を強め、患者を紹介しあうなどして病床利用率を向上させる。これにより患者1人当たりの平均在院日数を短縮し、患者負担を抑制しながら平均入院単価をアップさせ、医業収益増につなげる。
支出面でも、物品の在庫管理と納入価格の適正化を徹底し経費を節減。必要な医師、看護師らを確保しながら、職責、勤務実績に応じた給与制度を構築する。部門別の収支を明確化し、不採算部門を補う一般会計からの繰入金の適正な算定方法も検討。外部評価委員会を新設し、第三者の立場から経営体制をチェックしてもらう。また、県立病院が担う役割、機能として「安全安心を支える医療の提供」「高度・先進的な医療の提供」「地域医療の支援」の3項目を重点施策に掲げた。救命救急センターや総合周産期母子医療センターの機能強化のほか、陽子線施設などのがん医療推進、かかりつけ医への支援体制や人材育成の環境整備に取り組む。
県立病院の07年度決算は、経常収支が33億4190万円の赤字となり、累積赤字は113億9100万円に上る。県医務薬務課は「安全で質の高い医療サービスを提供するとともに、県の基幹病院として安定した経営基盤づくりを進める」としている。
◎《大阪支局通信》自治体病院譲渡を争点に28日に市長選 佐賀県武雄市
じほうMRメールニュース 2008年12月12日号 vol.1558
千葉県銚子市や大阪府松原市などで閉院騒ぎが起きるなど、医師不足を背景に全国の自治体病院の経営が行き詰まっているが、佐賀県武雄市では武雄市民
病院(一般病床135床)の民間委譲をめぐって市を二分する事態に発展している。市が民間譲渡を前提にした政策を厳しく進め、これに反対する地元医師会と市民グループの対立が表面化。反対側が市長のリコール準備を進めると、市長が辞任して出直し選挙での再出馬を表明、今月28日に「市民病院の民間譲渡」を争点にした選挙が行われる。
総務省が進める自治体病院経営改善策としては、地方公営企業法全部適用、指定管理者制度の導入、独立行政法人化、民間譲渡の4つのメニューが提示されているが、武雄市は総務省出身の樋渡啓祐市長が民間譲渡を選択、論議の途上で譲渡先病院も絞られるなどの経緯もあり、医師会・市民の反発を買った。武雄市民病院は、2000年の国立病院・療養所統廃合で、国立療養所武雄病院を武雄市が譲渡を受けて発足した。その後は、佐賀大医学部の医師派遣支援を受け、市民病院として中核機能を果たしてきた。ただ、当初から赤字体質が続き、現在までの累積赤字は6億3000万円。
市が決めた譲渡先は福岡県を中心に急性期病院を展開する医療法人池友会。
譲渡協定書締結後、池友会幹部はすでに同市民病院に入って実質的な経営支援を行っている。4月にいったん休止した救急医療も、池友会からの医師派遣が始まった8月には再開した。地元医師会が反対している背景には、地元の地域医療連携ネットワークを佐賀大を中心に進めたい意思があり、地域中核病院に異分子が入り込むという懸念が強いようだ。一方で、一般市民には市民病院の継続、移転・新設などへの期待も強く、樋渡市長が再選されれば、池友会への移譲はほぼ確定する。5日には、選挙説明会が開催されたが、反対陣営は10日段階でまだ候補者を決め切れていない。
「国立高度専門医療センター」が独法化へ
キャリアブレイン 2008年12月12日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19632.html
国立がんセンター中央病院(東京都中央区)や循環器病センター(大阪府吹田市)など、全国に6施設8病院ある「国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)」を独立行政法人化する法律が12月12日の参院本会議で、自民、民主、公明3党の賛成多数で可決、成立した。2004年に全国の国立病院・療養所が「独立行政法人国立病院機構」に移行しており、“国直営”として残っていたナショナルセンターが独法化されることによって、全国に13施設あるハンセン病療養所を除き、「国立病院」がなくなることになった。
【関連記事】
国立高度専門医療センターで看護師“バーンアウト”
国立病院機構・南横浜病院が廃止
国立病院の医師「200人欠員」
緊急リポート:「国立」病院廃止の深層(前編)
緊急リポート:「国立」病院廃止の深層(後編)
内閣が提出した法案は、衆院段階で3党の提案により修正された。参院では、9日の厚生労働委員会で可決されていた。
国を挙げて取り組まなければならない疾病を対象とする医療は、「政策医療」として位置付けられている。「政策医療」は、民間の医療機関では取り組みにくい高度・先進・特殊医療やへき地医療など「不採算部門」が多いため、「国立病院」が担ってきた。
ナショナルセンターの独法化については、9日の参院厚労委で、小池晃氏(共産)が「諸外国の例を見ても、がん、難病、感染症などの治療や研究方法の開発は、国直轄の機関で行われている。『がん対策推進基本法』が成立し、新型インフルエンザ対策など国民の健康を守るための国の役割が一層重要になっている時に、独法化して国の責任を後退させることは逆行にほかならない」として撤回を求めた。
また、福島みずほ氏(社民)も、「国の『政策医療』を担う機関を独法化するのではなく、予算を拡充し、人員を増員することこそ必要。効率化の名の下に独法化することは、明確に日本の医療にとってマイナスであり、損失」として反対した。
三木市民病院:病床100床減の220床に 統合控え収益力向上を--審議会 /兵庫
毎日新聞 2008年12月12日
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20081212ddlk28040389000c.html
◇医療センター制導入を提言
2013年春に小野市民病院との統合を控えた三木市民病院の事業運営審議会(会長、明石純・流通科学大教授)は11日、経営健全化や運営方針をまとめ、薮本吉秀・三木市長に答申した。病床数は現在の323床から220床程度に減らして収益力の向上を図るほか、臓器別に診療科を統合する医療センター制の導入を提言した。答申は統合までに可能な限りの改革を要請。市民病院の役割について、民間医療機関では対応が難しい急性期医療と救急医療とし、回復期や慢性期の入院やかかりつけ医としての外来診療は民間医療機関に任せるとした。このため、市民病院と民間との調整役を担う現在の地域医療室の拡充を掲げた。
医療センター制では、循環器内科と心臓血管外科を合わせた「循環器センター」、消化器内科と消化器外科を合わせた「消化器センター」などを挙げた。人件費削減なども含め、一般会計からの繰入額を年間6億円~7億円に抑えるよう求めた。答申を受け、来年1月にも改革プランを策定。薮本市長は、循環器センターの導入や地域医療室の強化、病床再編などは今年度中にも着手する意向を明らかにした。
塩谷総合病院、移譲先なければ閉鎖も/栃木
読売新聞 2008年12月11日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20081211-OYT8T00803.htm
JA厚生連会見 債務超過3億1600万円
JA栃木厚生連塩谷総合病院(矢板市)の経営移譲問題で、同厚生連の鈴木宗男理事長が11日、経営撤退を打ち出した今年1月以降、初めて記者会見し、厳しい経営状態を説明した。ただ、移譲交渉については「県に仲介をお願いしている」と述べただけで、条件や見通しには触れず、移譲先が決まらなかった場合、来年4月以降の一時閉鎖の可能性も示唆した。
鈴木理事長は、経営難に陥った最大の理由として、2004年度からの新臨床研修制度の影響などによる医師不足を挙げた。大学病院から派遣されていた医師の引き揚げが進み、05年度に28人いた常勤医は、06年度に21人に減少し、今年8月時点で13人。医師不足に伴い、患者数も減少し、05年度には約1億4000万円の利益を上げていたが、06年度は約2億円の赤字に転落、07年度も2億4000万円の赤字で、今年度は上半期だけで4億2000万円に赤字が膨らんだという。
鈴木理事長は、同厚生連が現在、塩谷総合病院の建設費などで39億円の有利子負債を抱え、3億1600万円の債務超過状態にあることも明らかにした。職員109人、約4億3000万円の退職金支払いの先延ばし、役員報酬の辞退などで資金難をしのいでいるものの、県が12月県議会に提案している3億円の無利子融資がなければ年明けにも運転資金が足りなくなるとの見通しを示した。移譲交渉は、県が仲介して済生会宇都宮病院を軸に進めているが、鈴木理事長は、移譲先が決まらなかった場合、「(病院の一時閉鎖の)可能性は排除できない」と述べた。
厚生連では、これまで公の場で病院の経営について説明することを避け続けていたが、県から融資を受けるにあたり説明責任を求められ、ようやく重い口を開けた形だ。報道陣からは、地元への説明不足や、鈴木理事長の経営責任について質問が相次いだ。これに対し、鈴木理事長は「地域の皆さんに厚生連の現状が十分に伝わらなかったことは一つの反省だ」、「当面課せられた責任は、移譲を一日も早く解決し、地域の皆さんに安心していただくことだ。ただ、こうした状況になり、私の経営能力に不足があったと自覚している」と答えた。
◇
塩谷総合病院に勤める医師や地元医師会などは、病院存続に向けて努力を続けている。同病院のある医師は「今年度限りで退職を決めている医師もいる。早急に結論を出してもらわないと、残りたい医師も残れなくなる」と悲痛な気持ちを訴える。
同病院の常勤医のうち5人が中心になり、今月初め、現在の規模の3分の1程度に縮小して診療・救急機能を維持するという「再生プラン」を済生会に提出した。プランは、
〈1〉内科医、外科医など常勤医5人が残り、済生会から内科医2人の応援を受ける
〈2〉病床数は現在の一般病床250床、療養型50床を計110床に縮小する
――という内容。
地元の矢板市医師団や塩谷郡市医師会は協力姿勢で、同医師会の尾形直三郎会長は「地元の医師が診療に協力する考えも持っている」と話す。ただ、プラン作成にかかわったある医師によると、済生会側からは「プランは受け入れられないとの回答が内々にあった」という。
共同購入実現の方法を検討へ <全自病>
Japan Medicine mail 2008/12/12
11日の会見で、「自治体病院は医薬品や診療材料、高額医療機器の購入が下手なのではないか」と述べ、自治体病院で共同購入が実現できるよう、条例や地方自治法などの問題解決に向けた取り組みを進めることを決めたと説明した。
「株式逃資」に「窮々病院」 住友生命が08年の「創作四字熟語」
日本経済新聞 2008年12月10日
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081211AT3K1100I11122008.html
住友生命保険は11日、2008年の世相を映す「創作四字熟語」の優秀作品10点を発表した。金融市場の混乱を招いた米リーマン・ブラザーズの破綻を題材にした「兄弟減価(きょうだいげんか)」、医師不足への不安を表した「窮々病院(きゅうきゅうびょういん)」などが選ばれた。
北京五輪を題材にした熟語の応募も多く、金メダルを獲得したソフトボールの上野由岐子投手をたたえる「好投夢繋(こうとうむけい)」や男子400メートルリレーの「四凜駆銅(よんりんくどう)」の2つが優秀作品に。世界同時株安を嘆いた「株式逃資(かぶしきとうし)」も選ばれた。創作四字熟語は10月から11月初旬にかけて募集し、計9041作品の応募があった。
厚生年金病院は公的存在意義を鮮明に
キャリアブレイン 2008年12月12日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19642.html
全国10か所の厚生年金病院が今年10月1日、社会保険庁から独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に出資された。同機構は、政府・厚生労働省が決める方針に基づき、2010年10月までの2年間で統廃合を含めて各病院の整理を完了することになっており、患者や住民を中心に公的病院としての存続を求める運動が広がっている。こうした中で、「厚生年金病院存続運動全国連絡センター」の代表世話人・丸山和彦さんは、「医療危機打開に苦闘する住民、自治体の運動と連携して、厚生年金病院自らが公的病院としての存在意義を明確にする必要がある」と話す。存続を訴えるだけでなく、公的病院を軸に地域医療全体の再構築を目指す必要があるという考え方だ。(兼松昭夫)
第41回 丸山和彦さん(厚生年金病院存続運動全国連絡センター 代表世話人/厚生年金病院と保養ホームの存続・充実を願う会・湯布院代表)
【関連記事】
厚生年金病院の公的存続求め意見交換
厚生年金病院は公的に存続を
厚生年金・社会保険病院、公的で存続の方針
厚生年金病院「法人譲渡は未決定」
厚生年金病院 著名人が存続訴え
■役割は「民間で担いきれない不採算医療」
―厚生年金病院の存続運動に携わるようになったきっかけをお聞かせください。
年金保険料の「流用・ムダ遣い」への厳しい批判を受けて与党年金制度改革協議会が2004年3月、病院を含むすべての年金福祉施設を売却・廃止する方針を決めました。
わたしは当時、脊椎の難病による長期入院の後の療養生活をしており、大分の湯布院厚生年金保養ホームに3週間程度滞在しながら、隣接する厚生年金病院で短期集中的なリハビリテ-ションを年に3-4回受けていました。全国各地から、脳卒中などの重度の後遺症や難病で障害を持つ人々が来て、温泉で心身を癒しながら回復期・維持期のリハビリに励んでいる。こうした貴重な医療システムは国の責任で拡充すべきものであり、廃止・売却などという理不尽を許すわけにはいかないというのがきっかけです。
仲間と話し合い、「厚生年金病院と保養ホームの存続・充実を願う会」を結成し、病院のOB職員らと町長をはじめ地域の全世帯を各戸訪問しました。地を這うような活動でしたが、住民の関心は高く、短期間で地域ぐるみの運動に広がりました。湯河原、玉造、大阪など各地の病院を訪ねて「存続の会」をつくり、1年半後の05年12月に存続運動の全国連絡センターを結成しました。患者・住民が主体になり、自治体、関係議員、農協、商工会、町内会、医師会などと協力して超党派の運動を積み重ね、厚生年金病院の公的存続を求める署名は10病院の地元で100万筆近く集まっています。
この4月と10月には、わたしたちの会と湯布院の市長、市会議長とが連名で全国に呼び掛け、行政・議会・住民が共同で政府・国会への要請行動を行い、6党代表や超党派医療危機打開国会議員連との懇談会を開催しました。全国の厚生年金病院は、民間病院では担いきれない小児救急医療やリハビリなどの不採算医療を担っており、一歩も後に退くことができないのです。
―厚生年金病院と同様に社会保険病院もRFOに出資されています。全国連絡センターとしては、これらの病院についても同じスタンスなのでしょうか。
社会保険病院も、その地域の住民に不可欠な公的病院ですから、公的施設として存続することを願っています。ただ、わたしたちは厚生年金病院を利用する患者・住民としての立場で存続運動をスタートし、発展させてきたわけですから、各地の会や全国連絡センターの名称には「社会保険病院」の文言を入れていません。
―10月に結成された「社会保険病院・厚生年金病院等の存続をめざす全国連絡会」に参加していないのもそうした理由からですか。
全国には公立病院を含め、住民を主体としたいろいろな公的病院の存続運動があります。そうした運動相互の情報交換や運動の交流などの連携は必要ですが、公的病院全体の存続運動を特定の労働組合が無理やりひとつに束ねるような単一運動組織をつくる必要はないと考えています。
―東京から湯布院までリハビリに通院していたということでしたが、都内や近県ではそのような医療を受けることが難しいのでしょうか。
滞在型の温泉療養施設と高度医療を提供する病院とがセットになったリハビリ医療システムは、残念ながら湯布院、玉造、湯河原などの厚生年金病院と保養ホームなどに限られているのです。難病や重い障害を持つ人が人間らしく生きていくには、生涯にわたる継続的なリハビリが必要ですが、そういう人たちにとって湯布院のような施設はかけがえのない貴重な施設です。保養ホームに一日三食付きで6000円弱で滞在して温泉療養と食事療法をしながら、隣接する病院で高度のリハビリ医療を受ける。それは、病院と保養ホームが公的施設として固定資産税免除など税法上の特典などがあるからこそ、民間では不可能なサービスを維持していくことができるという制度上の背景があるのです。
■公的病院を軸に医療の再生を
―厚生年金病院の存続運動では、「公的存続」がキーワードだと感じます。ただ、現在では公的な存在とされる公立病院が閉鎖されるケースも珍しくありません。こうした中で、「公的存続」にこだわる理由はどこにあるのでしょうか。
各地の厚生年金病院は地域の中核病院として救急医療や小児医療などで安心・安全の医療を担っているだけでなく、総合的リハビリなどでは、他府県にまたがる全国的規模で重要な役割を果たしています。
例えば、湯布院厚生年金病院の場合、300床足らずの中小病院ですが、不採算とされるリハビリテーションに特化し、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門スタッフを120人余り確保しています。そして全国各地の病院から紹介された患者への入院リハビリだけでなく、山間部への訪問リハビリなどを行うとともに、国の施策である地域リハビリ事業の大分県全体の中核センターとして県内の病院を援助するなど、多彩な活動を実施しています。
―医療法人に売却されたとしても、仮に現状の医療が維持されるなら問題はないということでしょうか。
仮に、この病院が民間に売却されたりすれば、巨額の病院購入資金や固定資産税などのために、こうしたリハビリ医療を続けることは不可能です。診療内容の縮小、専門スタッフの大幅削減などが避けられません。
わたしたちの運動は、総合的リハビリ医療や難病に対する専門医療は民間に任せ切るのではなく、政策医療として国が担うべきだという考えに基づくものです。
厚生年金病院の幹部の中には、「公的でなくても、病院が存続しさえすればよい」という意見がありますが、これは厚生年金病院の役割、存在意義を自己否定するものです。厚生年金病院は公的病院であってこそ、先進的役割を果たすことができたのですし、この公的病院を軸にして崩壊の危機にある地域医療と日本の医療を再生しなければならないと思うのです。
―その場合、政策医療の範囲が問題になります。公立病院では、優遇措置を受けながら普通の民間病院とあまり変わらない医療を担っていると指摘されるケースもあります。
政策医療の範囲は、地域の医療事情によっても異なります。そのためわたしたちは、存続を訴えるだけでなく、政府や各党に対して「日本の医療のあるべき姿と公的病院の役割を国会で議論し、合意を形成してほしい」と繰り返し要請してきました。同時に、地元自治体の行政、議会、医療関係者と継続的に懇談し、年金病院を公的施設として存続させる運動と合わせ、地域全体の医療をどうつくり上げるかを話し合っています。
地域によって濃淡はありますが、公的病院としての厚生年金病院に対する地域の要望、期待は極めて強い。最近も、大分県各市の市長、議長さんと懇談しましたが、共通して公的病院としての存続の必要を強調され、全県的規模での公的存続要望の要望書採択が準備されています。
厚生年金病院の側も、こうした自治体、住民の存続運動を傍観せずに、地元の行政や医療機関、住民代表などとの協議の場をつくるなど、率先して関与していくべきです。自らの病院の運営状況や医療方針を公開・説明し、要望や批判も聞いて改善、充実させていくとともに、地域の医療計画づくりにも積極的役割を果たす。そのことによって、公的病院としての存在意義、役割を鮮明にしていくことが重要だと思います。
■与野党議員「公的存続」で一致
―「公的な存続」の見通しをお聞かせください。
存続運動を始めた4年半前は、面談した厚生労働大臣、副大臣も与党幹部も、「病院も例外なく競争入札で売却もしくは廃止する」の一点張りでしたが、今では「地域医療を損なわないように適切な方策を講じる」と大きく変化しています。
これは、地域ぐるみ・自治体ぐるみの運動の成果です。この10月にわたしたちが国会内で開催した「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(尾辻秀久会長)との懇談会では、自民、民主、共産、社民、国民新の与野党議員が一致して、「公的な病院として存続させる方策を超党派で実現しよう」と表明しました。民主党では、既に公的存続の法案を作成しています。
わたしたちは各地の運動に取り組みながら、全国連絡センターとして政府や国会への要請を週1回続けていますが、年明けからの通常国会では、何としても公的存続の立法措置を超党派の合意で実現させたいと思っています。これは、難病患者として生涯にわたるリハビリ医療を必要とするわたし自身の不退転の決意であると共に、医療危機の打開を切望する多くの国民に共通する思いだと確信しています。
コメント