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(投稿:by 僻地の産科医)
世間はお休みでも、インフルエンザの流行は始まっています(>▽<)!!
初詣、除夜の鐘、電車の使用、人出の多い場所にお出かけの際は、
手洗いうがいの励行を!
で、インフルエンザです ..。*♡
5日以内の予防薬投与が有効
インフルエンザの施設内発生
Medical Tribune 2008年9月11日(VOL.41 NO.37) p.23
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=0&order=1&page=0&id=M41370231&year=2008
〔米バージニア州アーリントン〕コロンビア大学メールマン公衆衛生学部(ニューヨーク)のMarcie Rubin氏らは長期療養施設におけるインフルエンザの集団発生のデータを検討し,最初の発症例の発生検出時から5日以内に抗ウイルス薬による予防療法を開始した施設ではそれより遅く開始した施設に比べインフルエンザの流行期間が短く,発症例と死亡例が少ないとの調査結果をClinical Infectious Diseases(2008; 47: 47-52)に発表した。
早期介入で流行規模が大幅に縮小
Rubin氏とニューヨーク市保健精神衛生局感染性疾患部の職員らは,同市内の長期療養施設において2001〜04年に生じた52件のA型インフルエンザの集団発生のデータを検討した。
その結果,インフルエンザ集団発生の確認後5日以内に予防的化学療法を開始した施設では,同療法の開始がそれより遅かった施設に比べ集団発生の持続期間が約3分の1(6.7日対18.3日)であった。また早期介入を行った施設では感染例(入所者100例当たりの感染例:6.2例対10.5例),死亡例(感染例100例当たりの死亡例:0.45例対3.3例)ともに少数であった。
Rubin氏は「長期療養施設においてA型インフルエンザの感染例が確認された後に抗ウイルス薬の予防的投与を速やかに開始すれば,施設内でのインフルエンザ集団発生の規模が縮小できる」と述べている。
迅速な対応がきわめて有用との結果を受け,同氏らは早期介入戦略を作成するよう推奨
(1)施設職員によるインフルエンザに対する監視体制の強化
(2)インフルエンザ検査用呼吸器検体の採取作業の合理化
(3)検査施設における検査の迅速化と結果通知の効率化―を勧めている。
今回検討した2001〜04年当時は,A型インフルエンザの治療と予防の第一選択薬はアマンタジンであったが,2004年以降はインフルエンザウイルスのアマンタジン耐性が高まったため,ノイラミニダーゼ阻害薬が選択薬となっている。
同氏は今後さらに研究を行い,ノイラミニダーゼ阻害薬を用いた予防療法の早期開始が,同様の効果をもたらすかどうかを検討する必要があるとしている。
インフルエンザ治療薬の予防投与に指針
Medical Tribune 2008年12月4日(VOL.41 NO.49) p.28
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=0&order=1&page=0&id=M41490281&year=2008
〔ロンドン〕英国立臨床評価研究所(NICE)がインフルエンザの予防薬としてのオセルタミビル,アマンタジン,ザナミビルの使用に関する最終的な指針を発表した。
曝露後に予防投与
指針は,以下のすべての条件に該当する場合,インフルエンザウイルス曝露後の予防投与または感染後の予防にオセルタミビルとザナミビルを推奨している。
(1)全国規模のサーベイランスでインフルエンザの蔓延が示されている
(2)リスクを有する者
(3)インフルエンザ様疾患患者に接触し,なおかつ個々の薬剤について指定された期限内(ザナミビル36時間,オセルタミビル48時間)に予防投与を開始することが可能な者
(4)ワクチン接種により有効に防御されていない者
インフルエンザ様疾患の地域的集団発生時に,長期療養施設や高齢者ホームの入居者がインフルエンザ様疾患患者との接触があった場合,ワクチン接種の有無にかかわらず,オセルタミビルとザナミビルの投与が推奨される。ただし,これは地域的集団発生の原因がインフルエンザであると,ほぼ確実に断定できる場合に限られる。
同指針は,大流行が起きたか,起こりそうな状況,つまり住民に免疫がないかほとんどない新株インフルエンザの広範囲の流行時の対応策に関してはカバーしていない。また,前述に挙げた条件に該当しない限り,オセルタミビルとザナミビルを予防目的で一般的に使用することは推奨されていない。なお,アマンタジンは,インフルエンザの予防薬としては推奨されていない。
同指針の作成責任者でNICEのGillian Leng副所長は「インフルエンザのシーズンが近付いていることから,NICEはインフルエンザ予防のための薬物療法に関する指針をレビューし,内容を拡充した」と今回の指針が発行された背景を説明。「ほとんどの人は,インフルエンザに罹患すると1〜2週間以内に軽快するが,肺炎などの重度な合併症を起こす人もいる。肺炎リスクは介護施設などの療養型施設やその他の医療施設の入居者で高い。インフルエンザ予防の主流はワクチン接種で,保健省は現在,インフルエンザ感染と合併症リスクのある人は,毎年冬の初めにワクチン接種を受けるよう推奨している。オセルタミビルとザナミビルは気道でのインフルエンザウイルスの増殖抑制作用を示すことから,追加的な治療選択肢として用いることができる」と述べている。
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