(関連目次)→医療を理解するには
(投稿:by 僻地の産科医)
最近「医師アタマ」という本を読んでいます(>▽<)!!!
とっても面白いのです。
医師の思考回路には理路整然とした場合わけ
があるけれど、患者さんはそうではない。
「異文化コミュニケーション」だからすれ違う。
みたいな話で、とても面白いですo(^-^)o ..。*♡
というわけで、異文化コミュニケーションとおもえば
そうなのでしょう。M3からですo(^-^)o!
でもさ。言葉だけの言い換えでは異文化コミニュケーションは無理だと思う。ぼそ。
「病院の言葉」、こう工夫すれば患者も理解!
国立国語研究所の委員会が中間報告
3類型に分け、「言い換え例」「説明例」提示
m3.com 橋本佳子編集長
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/081021_1.html
「合併症」という言葉は国民もよく知っているが、医療で使用する意味と日常で使用する意味が異なるため、混同されやすい。「手術合併症」は、「手術併発症」などと言い換える必要がある――。 こんな提案な提案が盛り込まれた、『「病院の言葉」を分かりやすくする提案(中間報告)』が10月21日、公表された。作成したのは、独立行政法人国立国語研究所の「病院の言葉委員会」(委員長:杉戸清樹・同研究所所長)だ。
委員会の委員の一人、国立国語研究所研究開発部門上席研究員の吉岡泰夫氏は、次のように語る。「以前実施した調査では、4割近い人が、症状や治療について分かりにくい言葉で説明された経験を持ち、8割以上の人が難解な専門用語の言い換えや分かりやすい説明を求めていた。また、よく知られている言葉でも、医療者と患者の文化が違うと、その意味が違う場合もある。真に患者参加の医療を実践するには、分かりやすい言葉で伝えることが重要。どのように言い換えたり、説明すればいいかを医療者も交えて検討した」。
図1 「病院の言葉」を分かりやすくする工夫の類型
中間報告は、図1のように、難解かつ重要性の高い100語について、【言葉が伝わらない原因】を、
(1)患者に言葉が知られていない(そもそも、その言葉を聞いたことがないなど)
(2)患者の理解が不確か(言葉は聞いたことがあるが、意味を正確に理解していないなど)
(3)患者に心理的負担がある(「腫瘍=がん」という思い込みがあり、良性である場合でもそれを知る前に患者が落ち込んでしまう可能性がある言葉など)――の三つに分類。
その上で、【分かりやすく伝える工夫】として、「類型A」=日常語で言い換える、「類型B」=明確に説明する、「類型C」=重要な言葉であるため、新しい概念を普及させる、という3類型に整理した。(3)については、言葉を分かりやすく伝えることに加えて、言葉遣いなどの工夫も必要であるとした。
3類型のうち、代表的な57語については、患者の理解力など、日常診療の場面に応じた説明ができるよう、「まずこれだけは」「少し詳しく」「時間をかけてゆっくりと」の3段階で解説(表1)。そのほか、言葉に応じて「こんな誤解がある」「患者はここが知りたい」「ここに注意」などの形で説明を加えている。一部の言葉では、「Q&A」方式で、患者とのやり取りの場面を再現するなどの工夫をしている。
委員会では現在、同研究所のホームページ上で、医療者、非医療者から中間報告に対する意見を募集している(2008年12月1日まで)。それを踏まえ、来年3月に最終報告をまとめるとともに、「病院の言葉の手引」(仮称)を発行する予定になっている。
100の医療用語について、非医療者1万人に調査
前述の吉岡氏が言及した調査とは、2004年に国立国語研究所が実施した「外来語に関する意識調査II」。 その後、吉岡氏らが、コミュニケーション論に関する研究を進めるとともに、2007年10月に今回の「病院の言葉委員会」を発足させた。メンバーは日本医師会など医療関係団体の代表者、日本医学教育学会や日本プライマリ・ケア学会、臨床の第一線の医師、言語学者、患者の立場の人など、多岐にわたる。
今回対象とした100語は、医療用語全体から、「医療者が患者に理解してもらうのは難しいと感じている言葉」などの視点から絞り込んだ。その上で、インターネットを通じて全国20歳以上の男女を対象に調査を実施。4276人から得られた回答を基に、非医療者の認知度、理解度を類型化した。
実務を担当した、同研究所の研究開発部門言語問題グループ長の田中牧郎氏は、「【言葉が伝わらない原因】を医療者に理解してもらわないと、いくら【分かりやすく伝える工夫】を解説しても、医療者には浸透しない。このため、伝わらない原因(図1)をどう類型化するかに一番苦労した」と語っている。
表1 類型別の工夫例
類型A:日常語で言い換える |
認知率が低く一般に知られていない言葉。 ⇒できるだけ使わないようにし、日常語を使って言い換えることが望まれる。 |
該当語:イレウス、エビデンス、寛解、誤嚥、重篤、浸潤、生検、せん妄、耐性、予後、 ADL、COPD、MRSA(13語) |
言い換え例:イレウス⇒「イレウス」という言葉は使わず、「腸閉塞」などと言い換える。 |
類型B:明確に説明する |
認知率は高く一般に知られているが、理解されていなかったり、知識が不確かだったり、混同されたりする言葉。 ⇒正しい意味が理解され、確かな知識を持ってもらい、混同が起きないように、明確に説明することが望まれる。 |
(1) 正しい意味を明確に説明する 認知率は高く一般に知られているが、理解率との差が大きく、理解されていない言葉。 認知率・理解率ともに高く大体の意味は理解されているが、からだや病気のしくみなど知識が不確かな言葉。 ⇒混同を避けて明確な説明をすることが必要である。 該当例:合併症、ショック、貧血(3語) 言い換え例:合併症⇒ 1. 病気の合併症の場合:「ある病気が原因となって起こる別の病気」と説明。 2. 手術や検査などの合併症の場合: 「合併症」「手術合併症」「検査合併症」は使わない。 「併発症」または「手術併発症」「検査併発症」と言い換え。 |
類型C:重要で新しい概念を普及させる |
認知率が低かったり、理解率が低かったりする言葉の中には、新しく登場したとても重要な概念を表し、今後普及が期待されるものがある。 ⇒重要で新しい概念を普及させる工夫が望まれる。 |
該当語:インフォームドコンセント、セカンドオピニオン、ガイドライン、クリニカルパス、QOL、緩和ケア、プライマリーケア、MRI、PET(9語) |
言い換え例:QOL(クオリティーオブライフ) ・現状では知られていないが、医療や介護の現場で患者が今の生活の満足度を一言で表現するのに最も適切な言葉であるので、普及が望まれる。 ・「その人がこれでいいと思えるような生活の質」などのような分かりやすい言い換えや言い添えを行うことで、「QOL」という語を普及させたい。 |
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