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(投稿:by 僻地の産科医)
たしかに、そういうのって大事かも~と思いますです。
最近、世の中マイナス思考ですものね!
小児のうつ病予防にプラス思考の教育
(Medical Tribune 2008年11月20日(VOL.41 NO.47) p.27)
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41470271&year=2008
英で2009年秋から実施へ
〔英バース〕英国の中高生7,000人以上が,バース大学精神衛生研究開発ユニットのPaul Stallard教授らによるうつ病防止のための新プラス思考プログラム試験に参加する。生徒は,人と社会,健康教育(PSHE)授業の一環として自らの強さを認識し,マイナス思考の過程を確認し,問題解決の技能を磨く方法を学習することになる。
精神的自衛手段を強化
小児の約10人に1人に,重度のうつ状態に陥る高リスクの徴候が見られる。そのまま放置すれば,これらの徴候は小児の日常生活に著しい影響を及ぼし,青春期に精神衛生問題を引き起こす可能性が増大する。Stallard教授らは,国民保健サービス(NHS)ヘルス・テクノロジー評価プログラム(HTA)から助成を受け,バース,ブリストル,ノッティンガム,スウィンドン,ウィルトシャーの13〜16歳の中高生を対象とする教育プログラムを来年から開始する。
この試験では,精神衛生問題の発生を防ぐことが証明されている認知行動療法(CBT)を用いて,生徒にプラス思考,対処法,問題解決の促進に役立つ技能を与える。この種の前向きな保健介入は,精神衛生問題の発生リスクを有意に低下させる効果がある。クラス全体で行う方法には,すべての生徒が人生の難問に確固として立ち向かう力を培えるという利点がある。
同教授は「うつは思春期の若者にとって,将来の精神衛生問題となりうる深刻な状態である。立ち直る力を付けるのに役立つ手段を与えれば,後日の問題化を避けられるとする知見がある。今回の試験が成功すれば,全国の学校でこのプログラムを展開できるようになる」と述べている。
10週間の授業を実施
最初のスクリーニング後,CBTプログラムによる授業は10週にわたって行い,プログラムを教師が実施した場合と特別に養成された学外の現行PSHE教科促進者が行った場合とで効果を比較する。さらに,プログラム直後,6か月後,1年後にも評価を行う。この評価により,特に重度な症状が認められた生徒と認められなかった生徒で,うつ状態の軽減にプログラムが有効であったかどうかを調査する。
2009年1月に予備試験,2009年9月〜10年7月に本試験が予定されている。
Stallard教授は「われわれは,CBTプログラムが重度のうつに陥るリスクのある小児を有意に減らせるものと期待している。CBTでは,1人1人の否定的な状況を処理する能力とより肯定的な技能とその結果を認知し,集中する能力を改善することにより効果を上げる」と述べている。
同教授のCBTに関する著書『Think Good, Feel Good(上手に考え,気分よく)』は英国医学会(BMA)で称賛され,13か国語に翻訳されている。また,小児に精神衛生問題が発生するのを防ぐための学校関連CBTプログラム(FRIENDS)は,5つの国家的な賞を獲得している。
同教授の最新知見は,先ごろ開催された学校保健問題協議会で発表された。
このプログラムはバース,ブリストル,ノッティンガムの各大学とペニンシュラ医科大学の協力を得ているほか,試験実施地域の医院とも連携する。
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