(関連目次)→医師のモチベーションの問題
(投稿:by 白熊もどき)
昨日のニュースから
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麻生太郎首相は19日、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師不足問題に関連して「社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多い。とにかくものすごく価値判断が違う」などと述べた。首相はその後、記者団に「まともな医者が不快な思いをしたというのであれば申し訳ない」と陳謝したが、医師の資質を批判したとも受け取れる発言で、今後波紋を呼びそうだ。
同会議で首相は、「地方病院での医者の確保は、自分で病院経営しているから言うわけじゃないが大変だ」と強調。その上で、「小児科、婦人科が猛烈に問題だ。急患が多いところは皆、(医師の)人がいなくなる」「これだけ(医師不足が)激しくなってくれば、責任は医者の(方にある)話じゃないか」と述べ、産婦人科に対する診療報酬加算などの対応が不十分との認識を示した。
問題の発言は、医師の多くが産婦人科などでの過重な勤務を敬遠して開業医に流れる現状に、知事側が懸念を示したのに対して飛び出した。首相は同日夜、記者団に「医者は友達にもいっぱいいるが、おれと波長が合わねえのが多い」としながらも、「そういう(社会常識の欠落という)意味では全くない」と釈明した。
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以前勤務していた病院では休みがほぼなかった。(1年の中で完全に一日中休めた日は10日のみ。355日働いていた。)
夜中にほぼ毎日電話で起こされ、一日に何回も家と病院を往復することもよくあった。
家族の大切な行事中にもしょっちゅう呼び出された。
プライベートな時間も毎日待機だったので病院から1時間以上離れられなかった。
3日も4日も家に帰れないこともよくあった。
連続72時間寝ないで勤務しなければならないこともあった。
体調悪くたって、休むなんて出来なかった。
ご飯なんてしょっちゅう食べれず(一日三食食べれないことが当たり前)、次にいつ食事が出来るかもわからなかった。
家庭なんてあったもんじゃなかった。
常にイライラし、周囲としょっちゅう喧嘩していた。
2年間そんな生活をして、精神的に参ってしまった。
病院から連絡がきて、病院に行かないといけないときには
本当に死にたくなって、泣き喚いて、それから外出するようになった。
疲れ果て、運転するのも怖かった。
疲れ果て、ミスが多くなった。
ミス=他人の死につながることも多い職場で、
たまたまそれほど大きなミスを起こさなかったことは本当にラッキーだったが、いつ起こしてもおかしくはなかった。
いつ訴訟されてもおかしくなかった。
自分が人間的な生活を送っているとは思えなかった。
奴隷のようなものだと感じていた。
生きてるってなんだろう
仕事ってなんだろうって
よく自問自答をした。
お互い愚痴をこぼしていた、同期の友人が病院を辞めた。
一人では残れないと、私も辞めようと思った。
でも人が足りないのでどうしても一年残ってくれと言われて、
最後の一年間頑張りとおした。
本当に死ぬかと思った。
辞めたときはとっても嬉しかった。
携帯の音にびくびくしないで、食事を食べれるようになったときは
とっても嬉しかった。
人間的な生活を送れるようになったと感じた。
自分の楽しめることをし、自分の家庭を大切にし
生きている意味が感じられるようになった。
一年後に上司が倒れたと噂で聞いた。
数ヶ月休養をとられたと人伝えに聞いて、残っていなくてよかったとおもった。
負担が私に来ていたら、間違いなく私も壊れていただろう。
大きな病院の勤務医を辞めた私は麻生総理の言う
「社会的常識が欠落した医者」なのか。
医者は常に自分を捨て、超人的な勤務を一生強いられるのが常識なのか・・・。
私がもしあのまま勤務を続けていたら、確実に自分で命を絶ったと思う。
実際に私の周囲にそういう友人はいる。
自殺率が非常に多い職業だ。
自分の為に、
自分の家族の為に、
自分の生活を守る選択をした人は
「社会的常識が欠落」した人なのだろうか・・・。
そもそもこんな勤務状況が当たり前っていうのもおかしいんじゃないだろうか。
一国の首相に「社会的常識が欠落している」と烙印を押されて、非常に悲しい気持ちになった。
日本のトップの考えが示されたことは
よかったと思います。
国のトップすら感謝していないということがはっきりしたわけです。
医師の方も普通の人間性を取り戻しましょう。
自己犠牲はもうやめましょう。
投稿情報: kazu | 2008年11 月20日 (木) 12:31
どなたかも言ってますけど、こんなに自己犠牲をして働くことが、社会の常識を知らないということなのでしょう。
毎晩のようにホテルのバーで酒を飲んでいる時間があるような奴の友達というのも、医者としては異常な感じもします。
投稿情報: タカ派の麻酔科医 | 2008年11 月20日 (木) 13:07
私も最近まで似たような境遇でした。携帯電話の着メロは、好きな曲は使えませんでした(呼び出しメロディーとしてしょっちゅう聞くと嫌いになってしまうので)。それほど好きでもない曲を、しょっちゅう変えていました。家族と出かけていて携帯が鳴ると、胸の辺りを中心として体全体が絶望で包まれました。何故か鳴っても大丈夫な曲を見つけて、その後は同じ着メロですが、おかしな境遇に慣れてしまっただけかも。社会的常識が欠落していますね。今でも24時間365日体制ですが、もうすぐ「今晩はビールが飲めるぞ」という日ができる仕事体制に移る(職場を変わる)ので、それを希望の光として、毎日生きています。死んでしまわなくてよかったですね。どんなにギリギリでも、他人に本当の大変さは伝わらない。
投稿情報: hirakata | 2008年11 月20日 (木) 13:17
hirakataさんの携帯着メロの話よく分かります。
僕もそうでした。
好きな曲は選べませんでした。
投稿情報: まーしー | 2008年11 月20日 (木) 13:30
ケータイ着メロの話、わたくしも同じです。
好きな曲を選んで二度と聞けなくなったので、好きでも嫌いでもない曲にしましたが、次々と「街中でちょっと耳にしても動悸がひどくなる曲」が増えるばかり。
もうすぐ開業してケータイを持たない生活に入ります。
楽しみで仕方ありません。
投稿情報: suzan | 2008年11 月20日 (木) 16:06
マスメディアは触れていませんが話の流れからこの発言は(医者不足が予見されたにも関わらず医師の数を減らそうと圧力をかけてきた)医師会に対する発言であって、現場で頑張っている医師に対するものではないそうです。興味があったら調べてみるといいかもしれません。
投稿情報: はる | 2008年11 月20日 (木) 21:17
誰に対する発言か、はともかく、これを聞いた多くの、過労死直前でも必死で患者のために働いていた医師がどんなキモチになるか、想像できないような人間が日本国の首相かと思うと、なんだか悲しくて悔しくて仕方ありません。
投稿情報: suzan | 2008年11 月25日 (火) 15:48
suzanさんの考えでいくと悲しさ悔しさをぶつける相手は意図的に発言内容を歪め偏向報道を続けるマスゴミに向かうのが普通かと…
投稿情報: はる | 2008年12 月18日 (木) 23:42