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(投稿:by 僻地の産科医)
産科の締付けが厳しくなるとともに、
崩壊の足音が聞こえます。
沖縄もどうするつもりなのでしょうか?
救いは、大崎市民病院建て替えのように、ようやく現場の意見で
病院を建ててくれようとする病院が現れてきたことです。
この10年ほどに新設された病院は、ほとんど、
患者さんスペースはゆったり多大にあっても、職員トイレ一つ、休憩室一つ、
快適でなく狭く、つらく、どうしてこのようなところで働けというか?
というような病院が多かったからです。
福岡市のこども病院移転ひとつにしても。
現場はほぼ計画変更できなくなってから最後に文句いうしか方法ナシ。
こういった一つ一つの積みかさねが、医療崩壊につながっていったのだと思っています。
大和市立病院が分娩受付を中止/常勤医1人退職で、再開のめど立たず/神奈川
神奈川新聞 2008年11月11日
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiinov0811174/
大和市立病院(五十嵐俊久院長、四百三床)は十一日、産婦人科の常勤医一人が来年三月末で退職するため、十日から分娩(ぶんべん)の予約受け付けを中止した、と発表した。再開は「複数の医師確保まで」としており、めどは立っていない。同病院の産婦人科は現在、退職する一人を含め、常勤医三人。二〇〇七年度は三百八十六件の分娩があり、市内の医療機関での分娩の約一割を占める。
病院によると、退職する医師は今年夏ごろ市外に開業する意向を伝えていたという。病院側は「分娩を維持するため県内外の大学病院に医師の派遣をお願いしてきたが、かなわなかった」と説明。十日から始めた分娩予約の受け付け中止を事前に市民に公表しなかった点については「ギリギリまで確保に向けて努力していたため」と釈明している。同病院は昨年七月以降、派遣元の大学の医局に戻るなどの理由で、それまで四人いた常勤医が三人または二人という状態が続いた。
このため同月から分娩制限をするとともに、一件の分娩につき二万五千円という自治体病院では当時、県内最高水準の手当の支給を始めたものの、人材の流出で新たな医師確保に向けた試みはつまずいた形だ。同病院で出産予定の二百十四人については、これまで通り診察を行った上で分娩でき、残る二人の常勤医も勤務を続けるという。県医療課によると〇七年度以降、分娩を休止した病院は厚木、三浦の両市立病院など民間も含め四カ所ある。
周産期センター医師不足深刻
朝日新聞 2008年11月11日
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000811110002
■分娩休止 道内4カ所
■70キロ先の病院紹介も
脳出血を起こした東京の妊婦が都内の8病院に受け入れを断られた後に死亡した問題で、全国でリスクの高いお産を扱う「周産期母子医療センター」の存在が注目されている。道内にある同センターは計31病院。いくつかの病院では数年前から、分娩(ぶんべん)を休止したり、受け入れを断ったりという状態が続いている。背景には、道内でも深刻な医師不足がある。解決は容易ではない。
同センターは、重い妊娠中毒症や切迫早産といった危険度の高い妊婦と新生児に24時間態勢で対応するため、新生児集中治療管理室(NICU)や妊婦の集中治療管理室(MFICU)を備えた「総合周産期母子医療センター」と、総合センターに近い設備や医療者数を持ち、中程度のリスクのお産を扱う「地域周産期母子医療センター」の二つだ。道内では総合センターが6病院、地域センターが25病院ある。
このうち現在、分娩を休止しているのが四つの地域センター。いずれも医師不足が休止の理由だった。休止期間が最も長いのは滝川市立病院。中空知地方では、砂川市立病院に産婦人科医の集約を図っており、派遣元だった北大病院が04年9月に医師を引き揚げた。現在は週3日、午前中に砂川から医師が出張し、妊婦健診などの外来診察をしている。
市立函館病院は、06年3月までいた3人の常勤医全員が道内外の病院に移ったため、同4月から休止。檜山支庁江差町の道立江差病院は、1人だった常勤医の退職などを受け、07年1月に休止した。旭川市の旭川赤十字病院は、常勤医3人のうち2人が07年3月に退職し、翌4月からセンター機能を休止。同6月には残る1人も辞めた。
市立函館と旭川赤十字の両病院は今年4月に常勤医を1人確保したが、分娩再開の見通しは立っていない。道立江差病院は、分娩先として約70キロ離れた函館市内の病院などを紹介している。
総合センターでは、分娩休止に追い込まれた事例はない。ただ、市立札幌病院(札幌市中央区)では、妊婦の受け入れを断るケースが、ここ数年続いている。
同病院によると、05年度は37件だったが、07年度は57件に増加。その内訳は、産科病棟の満床が34件、NICUの満床が17件、他の病院で対応が可能だったケースが6件だった。うち同病院への搬送の途中で死産したケースも1件あったが、その他は妊婦や新生児に危険が及んだことはなかったという。
この背景にも医師不足がある。同病院は05年以降、産科の病床数を20床から36床に、常勤医を5人から8人に増やし、態勢を強化してきた。しかし、これにより、分娩を扱わない周辺の医療機関から紹介される妊婦が増加。07年度の分娩数は745件で、05年以前の1・5倍になった。
また、合併症を抱えるようなリスクの高い妊婦の紹介が集中し、結果としてNICUも含め、病床が埋まることが多くなった。同病院は「医師や助産師、看護師のさらなる充実と、NICUなどの設備の拡充をしないと、すべての妊婦を受け入れることはできない」と話している。
■「満床で断った」昨年度137件 道報告
周産期母子医療センターが妊婦や新生児の受け入れを断った例が、道内で07年度に137件あったことがわかった。10日の道議会決算特別委員会で道が報告した。道医療政策課によると、総合センターと地域センターを合わせた31病院を対象に、NICUが満床だったために受け入れができなかった事例を調べたところ、4病院で137件あった。妊婦や新生児が死亡したケースについては「報告は来ていない」という。
周産期医療センター:妊婦拒否137件 「NICU満床」理由に/北海道
毎日新聞 2008年11月10日
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081111hog00m040004000c.html
産科診療再開 安心できる医療整備が急務
琉球新報 2008年11月11日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-137990-storytopic-11.html
総会推移見守る/市、医師会病院経営不振で
釧路新聞 2008年11月11日
http://www.news-kushiro.jp/news/20081111/200811113.html
釧路市医師会病院(浅川全一院長)の経営不振問題が表面化したが、運営にかかわってきた釧路市は、当面28日の総会の経緯を見守ることにしている。 医師会病院の運営について、釧路市は病院建設費の一部を債務負担行為(建設協力費)として支出。これは、2005年度から2014年までの10カ年間で計4750万円の元金とその利息を財政援助する。今年度は、元金と利息の計564万1000円を当初予算に盛り込んだ。また、病院運営とは別に医師会の関連として、医師会が指定管理者となっている夜間急病センター(住吉2)の運営委託費として1億8249万6000円。健診センター(MOO内)の運営委託費4050万円などを支出し、医師会病院の健全運営を支援している。 医師会病院側も医師不足の中で4月から循環器科医師2人を市立釧路総合病院に派遣するなど、地域医療を守るための相互協力を進めてきた。
糖尿病医療連携「継続的努力が必要」
キャリアブレイン 2008年11月11日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19094.html
佐渡と隠岐でテレビ電話会議
新潟日報 2008年11月11日
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=2&newsNo=129210
小児科医会が反対決議 崩れる福岡市の説明 こども病院人工島移転
データ・マックス 2008年11月11日
http://www.data-max.co.jp/2008/11/post_3370.html
福岡市とその周辺地区の小児科医らでつくる「福岡地区小児科医会」が、10日、こども病院の人工島移転に反対する決議をしていたことが関係者の話で明らかとなった。同会は、福岡市内及び周辺市町の小児科医150人の会員で構成されている。
10日、福岡市内で開かれた同会の総会には、福岡市側から市立こども病院・感染症センターの福重院長や福岡市保健福祉局こども病院移転担当課長ら3名も出席したという。福重院長からの経緯説明・移転容認へ理解を求める発言に続き、人工島移転反対の立場の小児科医が意見を表明、引き続き1号から3号までの議案を採決したという。
注目された人工島移転に反対するか否かの2号議案については、「移転反対決議」に賛成が多数を占め、反対はゼロだったとされる。福岡地区の小児科医は大半がこども病院人工島移転に反対であることが、改めて証明された形となる。吉田市長や市幹部はこれまで、医療関係者の理解は得られているかのような発言を繰り返してきたが、肝心の小児科医が反対決議をしたことの意味はきわめて大きい。小児科医らの協力なしに、こども病院人工島移転が成功するはずはない。「はじめに人工島ありき」で杜撰な計画を進め、市民を欺いてきた「ツケ」が露呈しはじめたものに他ならない。
幼稚園児の子どもを持つお母さんにこの状況についての感想を聞いたところ、「子どもを持つ私たちにとって、一番身近な小児科の先生たちが反対するような計画が、なぜ市議会まで通ってしまったのか。市長のでたらめぶりにはうんざりですが、市議会や新聞は何やっているんでしょう」と厳しいご意見。小学生2人を持つお父さんは「どうなってるんですかね。小児科や産科のお医者さんが反対するような病院に何十億、何百億の税金を投入しても、経営が成り立つはずがない。腹が立つ」とこれまた手厳しい。
いずれにしても小児科の先生方が、こども病院人工島移転に反対の決議をしたことは、医師の「良心」が示されたということ。子どもを持つ親の1人として,光明を見る思いである。
県、全廃を再提案 医師調整額
琉球新報 2008年11月11日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-137996-storytopic-1.html
年2億5000万円減額提示 県立病院給与/組合側に病院事業局 医師手当は審議継続
沖縄タイムス 2008年11月11日
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-11-11-M_1-026-1_002.html?PSID=506cb7d5bcbc826cf249afd1122d1a00
県立病院の医師手当見直しについての労使交渉が十日あり、県病院事業局は医師手当廃止案を継続審議する方針を伝えた。また、同局は給与調整額の廃止により、県立病院の対象医師二百九十八人の合計で年額二億五千万円、一人平均年額八十六万四千八百円の給与減額になる試算を示した。県公務員医師労働組合と県公務員医師管理職員労働組合が交渉後に明らかにした。また、局側は初任給調整手当の引き上げも継続審議にするとした。これに対し、両労組は「公立病院の医師離れを加速させる」として局側提案の受け取りを拒否した。
調整額は各診療科の特性を考慮し基本給に上乗せされるため、超勤や当直、賞与のほか退職後の共済年金額にも影響する。労組側は「産科や小児、救急など忙しい医師ほど減額される」と反発。来週中にも一般組合員も交えた交渉を行う意向だが、「局側が方針を変えない限り、決裂する」との見方を示した。
療養病床32% 別施設に3年後までに転換/医療機関県が調査
沖縄タイムス 2008年11月11日
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-11-11-M_1-026-1_001.html?PSID=506cb7d5bcbc826cf249afd1122d1a00
室蘭市の来年度予算編成方針、財源不足4億3000万円
室蘭民報 2008年11月11日
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2008/11/11/20081111m_03.html
二階大臣の発言 Youtube
http://jp.youtube.com/watch?v=jgqbb0IM9SQ
政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。
忙しいだの 、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない。
二階からメ!!ブスリ
ssd’s Diary 2008年11月11日
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2560
周産期救急情報システムでモデル事業 <厚労省、経産省と共同で>
Japan Medicine mail 2008/11/11
都内で発生した妊婦受け入れ拒否問題を受け、舛添要一厚生労働相は10日、二階俊博経済産業相と会談し、病床の空き状況などを把握する周産期救急情報システムに関するモデル事業を両省共同で実施する方針を決めた。
舛添厚労相は同日、記者団に対し「例えば国立病院などいくつかのモデル病院を取り上げ、早急に成果を挙げたい。情報ギャップが起こらないように、どこに何人医師がいて緊急の場合、誰が対応するかなどの情報伝達システムについて、経産省の持っている技術を現場に投入したい」と話した。
妊産婦の主要な死亡原因「頭部の出血」浮上か <産婦人科医会が指摘>
Japan Medicine mail 2008/11/11
日本産婦人科医会(寺尾俊彦会長)は10日の記者懇談会で、脳出血などの脳疾患が妊産婦の死亡原因の上位を占める可能性があるとの見解を発表した。都内で発生した脳内出血の妊婦死亡問題を受け、同医会の中井章人常務理事が日本産科婦人科学会周産期委員会や過去の厚生労働省の調査を精査。「これまでは分娩後出血が妊産婦の死亡原因の第1位とされていたが、頭部の出血性疾患が上位を占める可能性がある」と指摘した。
前橋赤十字病院:移転問題 知事、「審議会の結果を見守る」 /群馬
毎日新聞 2008年11月11日
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20081111ddlk10040035000c.html
袋井と掛川の市立病院統合構想:建設用地取得は3月までにめど /静岡
毎日新聞 2008年11月11日
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20081111ddlk22010141000c.html
休日昼間も小児科診察 神戸市医師会の急病診療所
神戸新聞 2008年11月11日
http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/0001562987.shtml
『困っている地域で』診療 休診の岡部町立医院を男性医師が購入/静岡
中日新聞 2008年11月11日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20081111/CK2008111102000205.html
救急病院 苦境に拍車 診療報酬改定で大減収 「早急に見直せ」
しんぶん赤旗 2008年11月11日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-11-11/2008111102_03_0.html
小池議員が要求
今年四月の診療報酬(いわゆる「医療の値段」)の改定で、入院についての算定方式が変更されたため、大幅減収に追い込まれている地域の救急病院が生まれています。今年の診療報酬改定で厚生労働省は「病院勤務医対策」を売り物にしましたが、現場からは「改定によって打撃を受けている。逆行だ」と批判が続出。日本共産党の小池晃参院議員は質問主意書で見直しを強く要求しました。
半分以下
問題になっている診療報酬は「入院時医学管理加算」の改定です。同加算は、もともと「十分な人材と設備を備え、地域で専門的な救急医療を提供している病院」を評価するためのもので、一病床で一日三百円の加算でした。昨年度は二百六病院が届け出ました。ところが厚労省は診療報酬改定で、同加算を一日六百円に引き上げる一方、算定できる施設基準に厳しい条件をつけました。このため、加算を継続できない病院が相次ぎました。
当初、厚労省は百五十―百七十程度の病院が申請すると見込みましたが、実際は八十八病院(七月一日現在、小池議員にたいする厚労省の回答)で、昨年度の半分以下という事態です。加算が継続できなかった場合、三百床程度の中核病院の場合、減収額は三千万―三千五百万円。入院収益が0・7―0・8%下がる計算になり、今年度の診療報酬引き上げ(0・38%)効果が「消し飛ぶ」(病院関係者)結果となっています。
直撃されたのは、地域の中核となってがんばっている病院です。
全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査によれば、北九州市では、救急車搬入を年間三千―五千件受け入れている病院でも、加算が算定できない事態になっています。それは新たに設定された施設基準が、救急医療の努力を評価するものでなく、現場の実態を無視したものだからです。施設要件として▽内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、産科、産婦人科と、その入院体制が整っていること▽全身麻酔の患者が年八百件以上であること―などを挙げています。
これでは、すべての診療科の医師体制が確保できない病院は算定困難です。北九州のある救急病院は、産科・小児科がないため、算定が継続できなくなりました。麻酔件数などのハードルは、医師不足が深刻化している麻酔科、精神科の医師に二十四時間対応を迫り、勤務医の過重労働にいっそう拍車をかけるものです。
“処罰”も
重大なのは、新たな算定要件の施設基準として「選定療養」(他の医療機関からの紹介状のない初診患者から初診料以外の料金をとること)も必須にしたことです。「選定療養」を施設基準に入れたのは、初めて。これは、患者の負担を減らすための努力をしている病院への「事実上のペナルティー(処罰)」です。
小池氏は十月に提出した質問主意書で、新しい加算の問題点を挙げ、即急な見直しを求めましたが、政府の答弁書は、現場の実態をまともに調べずに、「適切なもの」という答えに終始しています。小池氏は「地域の救急病院を支援する役割を果たしていない。医療現場の士気の低下や救急医療からの撤退など医療崩壊に拍車をかけかねない」として、二年後の診療報酬改定を待つのでなく、早急な改善と見直しを求めています。
厳しい国立大学病院経営、本来の使命遂行へ
知財情報局 2008年11月11日
http://tech.braina.com/2008/1111/other_20081111_001____.html
国立大学附属病院の経営は限界にきており、地域医療の中核として高度先進医療を実現するためには、来年度予算を充実するとともに、次期中期計画期間における運営費交付金算定ルールも適切なものにしなければならない。国立大学附属病院長会議は10月27日の総会で、国立大学病院の現状と使命遂行のための今後の取り組みについて提言をとりまとめた。常置委員長の河野陽一・千葉大学医学部附属病院長は「医療崩壊は危惧ではなく事実となっている。社会全体で議論を始めることが大事だ」という。
国立大学病院はこれまで、医療人の育成、先端医療の研究開発を進めるとともに、地域の中核として質の高い医療を提供してきた。例えば、今年8月の1週間の初診患者のうち紹介患者は62%で、うち19%が地域の中核的医療機関からの紹介だ。新入院患者のうち48%が紹介で、うち25%は中核的医療機関からの紹介となっており、地域における最後の砦としての機能を果たしている。
分娩件数や救急患者も増加しており、分娩件数はこの4年で33563356件増えて19年度には1万5584件に、救急車搬入患者数は2万2667人増え、7万112人にもなっている。さらにハイリスクの分娩が増えているという。1患者あたりの平均入院日数は21.7日から18.3日と約3.5日短縮したことで、新入院患者は8万3044人増え、51万3090人となっており、限られた病床を有効活用して医療の抑制にも取り組んでいる。また、最後の砦として機能を果たすため、集中治療室(ICU)や小児集中治療室(NICU)に地域医療機関から受け入れている患者が多数いるが、これらの重症・難症の患者の治療は、通常よりICU等に入院している期間が長くなり、保険診療上の加算期間を超えて入院しているため、超えた部分は請求できない。
不採算であっても治療の必要上から入院している患者が多く、1大学病院あたりICUで約5900万円、NICUでは約4600万円が請求できない経費になっている。しかし、財政面で見ると、19年度決算における病院セグメント情報では6大学病院が赤字となっており、文部科学省の修正損益ベースでは16大学病院が赤字となっている。ただし、国立大学法人法のセグメント情報では財務諸表のうち損益計算書のみであるため、借入金の償還額は計上していないため、病院長会議で実際のキャッシュフロー計算書を作成したところ、28大学病院が赤字となり、全病院合計で76億円の赤字になるという。
赤字の大きな要因となっているのは、運営費交付金の大幅な削減だ。病院への運営費交付金は16年度の584億円から47.1%(275億円)も減少している。今年度は前年度と比べ58億円減少していることから、同じ医療を提供するためには58億円の純利益をあげる必要がある。医薬品等の購入を行う必要があるため、130億円ほどの増益を図らなければならないものだという。こうした状況が続いた場合、どのような影響が出るのかを病院長にアンケート調査した結果、医療の質及び安全性の確保は82.2%、非採算的な高度診療機能は93.3%、臨床系講座の教育機能は82.2%が低下すると答え、臨床系講座の研究機能については全員が低下すると回答した。また病院運営についても、93.3%が労務問題に悪影響が出ると回答し、医師確保でも91.1%が確保困難、地域医療への貢献では91.1%が低下すると回答している。
大学病院で高度医療機器の開発や提供ができなくなったり、臨床研究を行う時間がなくなったりすると、教員のモチベーションが低下し、医師確保が困難→医師不足・看護士不足→医療の質及び安全性の確保が困難→大学病院の使命の遂行が困難→大学病院の崩壊→日本の医療の崩壊といった負のスパイラルが危惧されるという。
そこで病院長会議では、来年度の予算編成において地域貢献が可能となるよう医師不足対策人材養成推進プラン等の実現を図ること、22年度から始まる第2期中期目標・計画期間における病院運営費交付金の見直しにあたっては国立大学病院がその使命を果たしうるものにすることを、政府に求める提言を取りまとめた。(科学、10月31日号1面)
寄贈:県立栗原高生徒や近隣の人たち、北里大学病院NICUに未熟児用肌着 /神奈川
毎日新聞 2008年11月11日
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20081111ddlk14040316000c.html
地方独立行政法人県立病院機構:理事長に神原氏が内定 /静岡
毎日新聞 2008年11月11日
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20081111ddlk22010133000c.html
呉市消防局、今治と救急搬送協定 豊島大橋18日開通
中国新聞 2008年11月11日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200811110227.html
▽島しょ部の対応充実へ
呉市消防局は、豊島大橋が開通する十八日、呉市本土と地続きになる愛媛県の岡村島などを管轄する今治市消防本部と相互応援協定を結ぶ。患者の搬送で互いに協力し、島しょ部の救急対応の充実を図る。
呉市消防局は今治市の岡村、小大下(こおおげ)、大下(おおげ)の三島を応援。今治市の救急艇が出動できない場合、呉市消防局大崎下島出張所(豊浜町)から診療所のある岡村島まで救急車を出動させ、公立下蒲刈病院(下蒲刈町)まで陸路で患者を運ぶ。一方、今治市消防本部は呉市の三角(みかど)、斎(いつき)の両島を応援する。大崎下島出張所の救急艇が出せない場合、今治市の救急艇が急行して今治市内の病院に搬送する。
両市の五つの島の人口は計七百二十三人(四月末現在)で、救急搬送は年間約五十件。これまで互いに応援を要請したことはないという。橋の開通に先駆けて六月に今治市側から申し入れがあり、呉市が承諾した。両市の市長らが開通日に協定を結ぶ。呉市消防局警防課は「人命にかかわるため、悪天候の時に限らず幅広く協定を運用したい」としている。
過労死・自殺が相次ぐ勤務医 ずさんな労務管理が横行、2割が過労死ライン
東洋経済オンライン 2008年11月11日
(1)http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1efebc6515f7797a8ec4ce2d466acb36/
(2)http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1efebc6515f7797a8ec4ce2d466acb36/page/2/
(3)http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1efebc6515f7797a8ec4ce2d466acb36/page/3/
妊婦搬送先検索を強化、新システム開発で連携…厚労・経産省
読売新聞 2008年11月11日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20081111-OYT8T00218.htm
医療現場の声反映 大崎市民病院建て替え
河北新報 2008年11月11日
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/11/20081111t15029.htm
宮城県大崎市は、建て替えを控える市民病院本院(古川)の機能や構造について、医師や看護師ら医療スタッフからのヒアリングを始めた。病院建設に伴い、個別に現場の意見や要望を聴く取り組みは珍しい。「スタッフの働きやすさこそ、患者にとっての安心・安全な医療につながる」との考えに基づき、年度内に策定する建設基本計画に反映させる。
10月に新設した病院建設整備局が、外科や内科など全診療科の科長クラスの医師や看護師、薬剤師、検査技師と面談。病院副院長でもある並木健二局長らが今月末までに計約50人の意見を聴く。7日のヒアリングには、小児救急科長の工藤充哉医師が出席。現在は大人の患者と一緒の混合病棟になっていることから「子どもの患者のケアにはとても手間がかかる。ミスや事故を防ぐためにも、独立した看護体制をつくってほしい」と要望した。長期入院児を対象にした院内学級の必要性にも触れたほか、「重度心身障害児のリカバリー(回復)のための病床を設けるよう求める声もあり、応えてあげたい」と患者家族の願いを代弁した。
現在の本院は老朽化が進む本館など3棟を渡り廊下で結んだ構造で、現場から「緊急時の移動に時間がかかる」などと不満が出ている。新病院は現在地を拡張して1棟に機能を集約し、2013年度の開院を目指す。総事業費は160億円を見込んでいる。通常、自治体病院の建設過程に医療スタッフがかかわる機会は少なく、行政担当者や設計・建設業者が主体となる。その結果、立派でデザイン性は高いが、肝心の医療機能が低く、使い勝手の悪い構造になってしまう例も少なくない。
並木局長は「いい病院をつくるには知恵を絞るしかない。現場の意見をできるだけ取り入れ、患者が安心できる態勢を整えたい」と話している。
診療報酬を集計ミス 県病院局 プログラムに誤り/群馬
東京新聞 2008年11月11日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20081111/CK2008111102000141.html
70代入院患者が浴槽で死亡 千葉、蛇口から55度の湯
日本経済新聞 2008年11月11日
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081110STXKB063610112008.html
千葉市は10日、市立青葉病院で両ひざの関節症の手術を受けるため入院していた70代の女性患者が、1人で入浴中に浴槽で全身やけどを負い、死亡したと発表した。
病院によると、風呂には20―30センチの湯がたまっており、約55度の湯が蛇口から出しっ放しになっていたという。千葉中央署は病院の安全管理に問題があった可能性もあるとみて業務上過失致死容疑で調べている。司法解剖により多臓器不全と判明したが、それを引き起こした原因は不明。市と病院の記者会見によると、女性は6日午後2時ごろ、担当の女性看護師に付き添われて病室と同じ階にある浴室へ行った後、1人で入浴。約30分後、看護師が浴槽内でぐったりしている女性患者を見つけ、すぐに助け出したが、7日午前、死亡した。
浴槽は1人用。湯と水の栓は分かれているが蛇口はひとつ。自分で湯と水を調節しながら適切な温度にする。水の栓を開けず、湯の栓だけ開けた場合、湯の温度は約55度になるという。女性患者は10月31日の入院後、初めての入浴だった。
すべての公営病院でエイズ検査、年内に実施/シンガポール
アジア エックス 2008年11月11日
http://www.asiax.biz/news/2008/11/11-075558.php
家庭と「宇宙」両立 山崎飛行士、結婚・出産経て悲願
朝日新聞 2008年11月11日
http://www.asahi.com/science/update/1111/TKY200811110129.html
道交法では免除でも「妊婦にシートベルト」推進
読売新聞 2008年11月11日
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/society/ms20081111kk01.htm
ノロウイルス:36人集団感染--柏の保育園 /千葉
毎日新聞 2008年11月11日
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20081111ddlk12040240000c.html
花粉症、3か月で改善…スイスの研究チーム開発
読売新聞 2008年11月11日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20081111-OYT8T00438.htm
妊娠高血圧症候群 晩産化で増加傾向。脳出血、胎盤早期はく離併発も
毎日新聞 2008年11月11日
http://mainichi.jp/life/health/news/20081111ddm013100180000c.html?link_id=TT003
◆妊娠高血圧症候群 晩産化で増加傾向。脳出血、胎盤早期はく離併発も
◇定期健診で早期発見 塩分控え、安静で規則正しい生活を
初めての子を身ごもった38歳女性は、妊娠24週目の健診で最高血圧130、最低血圧80で「やや高い」と言われた。その3週間後、最高血圧が170~200と急上昇し、かかりつけ医の勧めで埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)で診察した。妊娠高血圧症候群だった。血圧は薬で下がらず、脳出血などの恐れがあり、帝王切開に踏み切った。赤ちゃんは694グラムの超未熟児ながら母子ともに健康で、女性の血圧も下がった。
「母親が早めに対応したので良かった。しかし、出産の高齢化で高血圧や肝臓、腎臓病など素地のあるケースが増えている」と関博之教授(周産期学)は指摘する。高血圧患者が妊娠高血圧症候群になる可能性が高いことを知らされないまま、不妊治療を受ける事例も目立つ。
●根本的治療は出産
かつては妊娠中毒症と呼ばれていたが、05年に改められた。妊娠20週から出産後12週までの間に最高血圧140以上、最低血圧90以上になる場合や、同時に尿にたんぱくが出る場合をさす。また、頭痛や目のチカチカ、吐き気や胃の不快感などの症状が表れる場合がある。
けいれんや大量出血で死に至る恐れがあるほか、肺塞栓(そくせん)や脳出血、胎盤早期はく離を併発することがある。死産になったり、脳障害などの後遺症が子どもに残ることもある。妊娠32週より前に発病すると重症化しやすいとされる。以前は、むくみ(浮腫)が重視されたが、今は28週未満の妊娠早期と、出産直前に顔つきが変わるほど全身、特に上半身がむくむ場合のみ要注意としている。この病気は紀元前の古い医学書にも登場し、発生頻度は全妊娠の3~5%。胎盤の血管が細くなって血が流れにくくなるため、胎児に多く血液を届けようと血圧が高くなる仕組みだ。
治療は、薬を使った高血圧の対症療法が中心だ。関教授らは血管を緩める働きのあるぜんそく治療薬を試験的に患者の同意を得て使い、8割で重症化の予防効果があった。しかし、胎児への影響が不明で使用できない薬も多く、母体を守るため血圧を下げ過ぎると、胎児への血液が不足するという板挟みにあう。
根本的な治療とは出産することだ。一日でも長く母親の体内にとどめて胎児の成長を促しながら、母子の状況で帝王切開に切り替える緊急対応が必要だ。超未熟児を扱える施設は少なく、埼玉医大も新生児集中治療室(NICU)の利用状況をにらみながら緊迫した日々になっているという。
●血圧こまめに測って
対策は、定期的に健診を受け、早期発見することから始まる。「公的支援制度もある。お金がないと言う前に健診先で相談してほしい」と関教授は語る。家庭用血圧計で日々の血圧を測るのもお勧めだ。通常、妊娠12~28週は血圧がやや下がりぎみになるが、逆に徐々に上がるようなら正常範囲内でも注意が必要だ。
診断されたら、塩分摂取量を1日7~10グラムと、普段より約3割減らす。家事程度の安静で規則正しい生活が望ましい。たばこや酒はやめ、水分をこまめに取る。初産で発病することが多く、1子目で発病していれば2子目もなる可能性が高い。また、以前の出産では大丈夫でも、パートナーが変わると発病したりと「免疫上の相性」が発病になんらかの関係があるらしい。
●ガイドライン作成
東京で起きた病院の相次ぐ妊婦受け入れ拒否は、現在の医療体制の課題を浮き彫りにした。一方で、出産の高齢化に伴い今後、増える可能性がある。
日本妊娠高血圧学会は初の診療ガイドラインを作成し、来年初めに出版し知識の普及を図る。佐藤和雄理事長は「欧米で使える薬が日本では未許可だったりと治療の制約も大きい。お産は危険が伴い、人手がかかることを忘れてはならない」と訴える。
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