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(投稿:by 僻地の産科医)
裁判所でお会いしました、三上さまが順調に傍聴記をあげてくださっています。
http://symposium.b-r.under.jp/?eid=666716
というわけで、詳細はおまかせいたしまして、喫茶店でのこと。
三上さまやそのお友達『た』さまとお茶をしていたんです。
裁判所近くの喫茶店。
と。そこに「傍聴していらっしゃいましたよね」と声をかけてこられたおじさまが。
岡本さまとおっしゃる方ですけれど、どのような方かともうしますと、
「医療情報の公開・開示を求める市民の会」岡本隆吉さまです
【参考HP】
http://homepage1.nifty.com/hkr/simin/
http://homepage1.nifty.com/hkr/
原告側の石川弁護士ともよくお知り合いのようで、それで傍聴にきた
というようなことを仰っていました。
お人のよい方なのでしょうか。
私たちが女性三人組できゃらきゃらした感じだったこともあるでしょう。
なぜか事件についての解説をしてくださいましたo(^-^)o..。*♡
そしてあと4-5回はああいった感じの文書取り交わしが続くよ、と。
それから今日は弁護士会館で石川弁護士が今日の成り行きを説明していたからこればよかったのに、ともおっしゃっていました。
それでお話ししていく過程なのですが。
「子どもなんか助けんでも、お母さんを助けてほしかった」
と考えていると仰います。原告側はそのように考えているとも。
「だって脳出血ですよ?」と私は申しあげました。
「除脳硬直がでるほどの脳出血ですよ?助かるわけがないじゃないですか」
「えっ!?でも脳外科に送れば助かるでしょう」
話がかみ合わないんです。
どうやら岡本さまの奥さまは、「くも膜下出血」で手術をして助けてもらったとのこと。
「。。。えっと。くも膜下出血や硬膜外血腫は脳出血と違うんですよ」
「え、どう違うんですか」
「聞いてらっしゃらないんですか?」
「似たようなもんだって」
「えっ。。。」
ちょっと開いた口がふさがらなくなってしまいました。
くも膜下出血も、硬膜外出血も、脳出血ではありません。
頭蓋内出血ではあるけれど、脳出血は「脳実質」の出血です。
その区別も、まさか原告側はついていない?
そういえば。。。
と法廷で石川弁護士が脳の解剖図を予習していた光景が
脳裏によみがえりました!
あっ!なんだあの人、わかってないんだ。
硬膜外出血やくも膜下出血とのちがいも!
解剖図の前に、大事なことが分かっていない!
脳出血がいかに重篤な結果をひきおこすかということも!
そして搬送する前にすでにもう助からない兆候が出ていたってことも。
訴える前に調べておいてよ、そんなこと!
とおもいました。
すくなくとも、訴えた後でもいいから、調べてよ。
「医学的なことはわからない」じゃないよ。
私たちは滔々と、「脳出血」「除脳硬直」がどんなものであるか、
一生懸命説明しましたが、わかっていただけたかどうかはわかりません。
しかし、ひょっとしたら裁判官にもわかっていないのかもしれません。
逆に。
証人尋問で必要なのは、実は脳外科医だということがわかりました。
「脳外科医」にカルテを読んでもらえば、一発でこの事件は終了です。
彼らが言っているのは、赤ちゃんうんぬんではないのです。
なぜ母親が助からなかったか。
脳出血が「予見不可能」「一気に起こる」
「除脳硬直までおこった場合には、もう救命はほぼ不可能」
であることを証明してもらえば、
(これはしかし医学生でも十分にわかる基本的事項なのですが)
話が終わってしまうような裁判だったのです。びっくり。
つまり、まだ彼らはその点がわかっていない、 さて、昨日の裁判のところですが、間違いがありました。 また大淀裁判にかかわる重要な人物から、 本日、出勤しましたところ、ちょうどまた寺尾産婦人科医会会長より また閉鎖一覧については、日本医師会も調査に動いていただけるそうです。 というわけで、お昼休みには今日のニュースをあげます。
ということがわかったという貴重なお話でした。
(他にもいろいろお話を伺いましたが、どうやら死後、病理解剖は
されていないのではないかな、という感じでしたね)
昨日の裁判には大淀病院の主治医は参加されていませんでした。
あれは代理人の弁護士の方でした。勘違いしましたこと、申し訳ありません。
別の件でメールをいただきましたこと大変感謝しています。
直筆お手紙がきていました。
昨日の報告とともに、もしもご本人から了承が取れるようであれば、
寺尾会長への橋渡しをさせていただこうと存じます。
後ほど、返信メールを送らせていただきます。
つつしんでご報告申し上げます。
(中間管理職先生、もうひとふんばりですっo(^-^)o!!!)
これからもよろしくお願いいたします。
何だか力の抜ける話ですね・・・
投稿情報: shy1221 | 2007年8 月30日 (木) 11:35
自慢するわけではありませんが既に指摘済みです(www
http://ssd.dyndns.info/Diary/archives/2006/10/post_101.html
投稿情報: ssd | 2007年8 月30日 (木) 12:41
あらららら。そりゃあかん。
どうか石川弁護士にはがんばっていただきたいものです。
投稿情報: iori3 | 2007年8 月30日 (木) 12:41
真実なんか必要ないんですよ。裁判には・・・。
投稿情報: あつかふぇ | 2007年8 月30日 (木) 13:02
いやいやいやいや。
知らないということはおとろしいことですにゃー
投稿情報: akagama | 2007年8 月30日 (木) 13:09
うにゃにゃにゃにゃ~(>_<)!!!!
ssd先生、ご慧眼恐れ入りますw!
でも半年もの間、まったく原告側は勉強していなかったことがマルわかりになってしまいました(涙)。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年8 月30日 (木) 13:36
>昨日の裁判には大淀病院の主治医は参加されていませんでした。
え、そうだったんですか。私も完全に誤解して思いこんでいました。こちらの記事も訂正しておきます!
投稿情報: 三上藤花 | 2007年8 月30日 (木) 13:38
お疲れ様です!!
「勤務医 開業つれづれ日記」中間管理職です。
なんとまあ、お粗末な裁判になりそうな勢いですね…。
「脳出血」を「くも膜下出血」や「硬膜下出血」と混同していたら、このようなマスコミや裁判の展開になるかもしれません。
医師は、間違った答えを堂々と述べる小学生に、ひとつひとつ、教えていかなくてはいけないのですね。
>また閉鎖一覧については、日本医師会も調査に動いていただけるそうです。
つつしんでご報告申し上げます。
(中間管理職先生、もうひとふんばりですっo(^-^)o!!!)
本当にありがとうございます。ブログ活動がまさか医師会を動かすまでになるとは思っていませんでした。
これからもあまり無理せず(笑)、頑張ってください。
投稿情報: 中間管理職 | 2007年8 月30日 (木) 14:15
> 半年もの間、まったく原告側は勉強していなかったことがマルわかり
しかし、その話はあくまで伝聞ですからね。
岡本さんは知らなかったかもしれませんが、この方は、本件訴訟については原告でも訴訟代理人でもありません。
石川弁護士が直接「私は知らなかった」と述べたわけではないので。
原告の協力医がどのような意見書を出しているかが問題だと思います。
油断は禁物です。
投稿情報: YUNYUN | 2007年8 月30日 (木) 14:56
三上さま!
昨日はありがとうございました。
ちょっとまだごたごたしていまして、
メールにてのご報告が遅れていますo(^-^)o
また詳細のメール、お出しします~。
中間管理職先生!!!!
ちょっとまっててくださいね~。
先生にもメールをお出しする要件が~。
(ああ、まったく手が回っていません)
YUNYUN先生!
ありがとうございますo(^-^)o..。*♡
あとでこちらもメッセージをお送りします!
(あきまへん)手一杯です。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年8 月30日 (木) 15:13
すごいですね、なんだか社会を動かす働きをされていますね。
無理はしないようにしてくださいね。
投稿情報: 白熊もどき | 2007年8 月30日 (木) 16:25
わたしも同じ違和感を感じていましたが、医者と一般人でこういう知識のギャップがあった訳ですね。
しかし果たしてこのギャップが一般人である裁判官に通じるかどうかは、怪しいかもしれませんね・・・。
投稿情報: doctor-d | 2007年8 月30日 (木) 16:48
傍聴、お疲れ様でした。
何だかむなしさを感じさせる出来事だったことでしょう。
私のブログに引用させていただいたのでトラックバックを送らせていただきましたが、
なぜか2件ダブってしまっていました。
もし目障りでしたら、片方を削除してくださいませ。
余計なお手間を取らせてしまい、申し訳ございません。
投稿情報: Yukitake | 2007年8 月30日 (木) 18:44
こんばんは
傍聴、お疲れさまです。
医療界と一般の方々との理解の溝には、ため息がでますね...。でも、溝を埋めるべく、書き続けているのが...医師ブログでしょうから頑張って行きましょう。^ ^
このエントリーの一部を引用させていただきました。
投稿情報: いなか小児科医 | 2007年8 月30日 (木) 22:42
「子供なんか助けんでも…」は
岡本氏はともかく、親(夫、夫の父)が思っていても公的に口に出すことではないと思いますよ…
子供本人が長じて読む(知る)とも限らないわけですし。
それを思うと、額面通り受け取るのはちょっと…
投稿情報: 伝聞 | 2007年9 月 1日 (土) 09:17
>「子供なんか助けんでも…」
「私達はそうおもっている」
とおっしゃっていました。
助かって無事な事がわかっているから言えることで、極論なのかもしれません。
人間て複雑だから、それだけじゃないかもしれないけれど、でもこのお子様は、感じながら育つはずです。
いろんな悩みも、そしてお母様を生まれながらに亡くされたことは、もうどうしたってついて回りますよね。
お父さんや周りがそのように感じているとしても、それはもう変更きかないし、
「そうあるべきではない」
といっても仕方ないんです。
でもお母さんの状態が、かなりひどい状態で、お子さんがお腹にいるから処置ができなくて亡くなった訳だけではないんですよね。そこばっかり遺族の方々はクローズアップしすぎているのではないかと思うのです。
妊娠を合併していない同程度の脳出血だったら救命可能だったのかどうかも、あわせて調べていきたい、と思ってます。
(もちろん妊娠中のほうが、予後が悪い事はすでに報告済みですが)
あ、ついでのようですが、閲覧資料集のほうもご覧になって下さいね。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年9 月 1日 (土) 12:32
はじめまして。
どちらに送れば適切なのか迷ったもので2件もTB送りつけてしまいまして申し訳ございません。漂流生活的看護のえぼりと申します。看護師ですが、現在法学部の学生でもあります。
今年度の司法修習生の実に100名近くが就職先が決まっていないそうです。イソ弁どころか軒弁としても修行する場を持たなかった弁護士がこの先大量に発生します。例えて言うなら医学部卒業したらすぐ開業医、みたいな。そうなると・・・どういう裁判が増えるかはおわかりですよね。恐ろしいことですが。
投稿情報: えぼり | 2007年9 月 1日 (土) 22:08