現在夏休みで北海道旅行中です!
(27日夕方には帰ってくる予定ですが死んでると思います)
というわけで、こちらの記事はタイマーで紹介しています。(1日2回更新予定)
私の大好きな『産科と婦人科』には外界事情というコラムがあって
ハワイ大学の先生からいろいろといい情報がのっていますo(^-^)o ..。*♡
その中から!興味深いレポートです!
乳癌既往者の妊娠は高リスク
―スウェーデンからのレポート
矢沢珪二郎 ハワイ大学医学部産婦人科(Clinical Professor)
(産科と婦人科 vol.74 No.7 2007-7 p869)
スウェーデンの研究者Kristina Dalberg(ウプサラ大学)は乳癌既往者の妊娠は早産,帝切例.先天性奇形などが多くみられる高リスク妊娠と考えるべきだという.乳癌患者の5分の1は50歳未満であり、悪性腫瘍およびその治療が生殖に及ぼす影響はますます大きくなっている.
この研究者はスウェーデンで1973~2002年に生まれた2,870,932の単胎児を対象に調べた.このうち331例は乳癌既往者に起きた妊娠であった.乳癌治療から妊娠までの平均期問は37ヵ月であった.
母体の年齢、妊娠回数,分娩の年を修正したmultiple logistic regression analysisを行うと,乳癌既往者にみられる合併症は,乳癌既往のない妊娠に比較すると,以下のごとくであった.
32週以前の早産 3.2倍
1,500g以下の低体重児 2.9倍
帝切率 1.3倍
1988~2002年に生まれた場合をみると,乳癌既往者から生まれた児の先天性奇形の発現率は2.1倍であった.1973~1987年の期間に乳癌に対する化学療法の使用は頻度が低く,この期間の先天性奇形発生率は有意差なしの1.3倍であった.乳癌既往者には胎児死亡の増加はみられなかった.
216名の乳癌既往者の妊婦を対象としたデンマークからの発表では.早産.児の低体重,先天性奇形,胎児死亡のいずれにも増加はなかった(Br, J. Cancer 2006; 94: 142-146).
このような結果の相違は,
①両国の登録機構における疾病定義の違い,あるいは
②乳癌治療法(化学療法など)の相違.によるのではないかと著者は推定している.
Source.
Dalberg, K. et al. Presentation at a breast symposium at Cancer Therapy and Research Center, San Antonio as reported by Ob Gyn News Feb 1.2007.
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