メディカル朝日6月号より頂きました..。*♡
こんたさまのご紹介です。http://www.asahi.com/medical/0706.html#anchor1
特集はお産の危機
医療水準の維持が困難に 倉智博久 ● 山形大学医学部産科婦人科教室
インタビュー 第一線の医師から 中村光佐子 ● 京都民医連中央病院
産科勤務医の労働実態調査 池田 寛 ● 日本医療労働組合連合会
静岡県中部での連携 赤堀彰夫 ● 日本のお産を守る会
助産師が活躍するために 河合 蘭 ● 出産ジャーナリスト
などがあります。
河合蘭さんの登場は場違い感がぬぐえません。朝日新聞で連載中などの加減でしょうか?
産科が「医療である」と考える医師の立場からは、あまり特に取り上げたいものでもありません。
医師=男性、助産師=女性のイメージでモノを語るのはやめて頂きたいです。
そのうちに一応、とりあげるかもしれません。
下記は女性医師の立場から。とてもいいインタビューですo(^-^)o..。*♡
インタビュー 第一線の医師から
中村光佐子 京都民医連中央病院産婦人科科長
(medical ASAHI 2007 June p30-31)
―女性医が多い現場での課題・・・人数がもっと必要
産婦人科医が2~3人という病院が多い中で、うちは4人の常勤と、大学からパート医師に来てもらっているので、他院に比べれば多いほうです。それでも当直は1人当たり月に7~8回。医師が2人の病院だったら、月の半分が当直になるわけですからたいへんです。 当院の産婦人科では、私より下の世代は全員女性です。 代替要員が確保できない理由は、母数である産婦人科医の数が少ないこと。学校教員の産休代替要員は、人数が多いから成立するのでしょう。仕事をしていない医師を登録して人材バンクを作る話が大阪などの自治体であるようですが、そもそも産科に携われる医師の数が限られているので現実的には難しいと思います。 当院は助産師が20人近くいます。お産では特に、助産師や看護師とのチームワークが大切です。新生児になにかあった時のための小児科との連携も重要です。働きやすさは、医師の人数だけではなく、こうしたスタッフ間の協力や職場の雰囲気も影響します。看護師の内診問題で、医師と助産師・看護師が対立しているように言われるのは残念ですね。
朝9時から午後5時で診察が終わって、当直の日はそのまま翌朝の9時まで。当直のあと勤務が続きます。もし夜中に緊急手術があったら、誰を応援に呼ぶか。自分が当直の時は「あの先生を呼ぼう」と考えておきますし、当直ではない日も、今夜の先生は経験が少ないから、サポートに入らなきゃいけないかもと覚悟はしておきます。結局、勤務5~10年目、パッと出てこられそうな生活環境の医師、病院の近くに住んでいて、ひとり者、小さい子がいない医師がかけつける確率が高くなりますね。
20代から30代前半の彼女たちが今後妊娠して子育てしていく時、どうするかが課題です。産休や、小さい子どもが病気になることも考えると、4人というのは必ずしも十分な人数ではありません。産休・育児休業中の代替要員は、パートを募集しても集まらないので、ほかの医師が肩代わりすることになる。そんな状況では、子どもを産めない、先延ばしにする女性医師もいるでしょう。
看護師や助産師のように、医師も夜勤を含めた二交代や三交代のシフトワークにする必要があるのかもしれません。でもシフトワークができるほど、医師の数は多くない。いろいろな意味で、まずは医師の数を増やすことが必要ですね。
―お産のリスクを回避するためにできることは
お産はいろいろで、すっと生まれて「おめでとう」ですむ方もいれば、結局は帝王切開になる場合、お産までは無事にいったけれど弛緩出血で死にそうになる場合など、終わってみないと分からない。予見できない事態が起きるし訴訟のリスクが高く、拘束されるわりには収入が見合わないというのは産婦人科医の実感でしょう。また、病院経営者にとっては、産科を持つと人件費がかさむという感覚はあるかもしれませんね。 そもそも、お産にはリスクがあると妊婦さんや家族に知ってもらうことも大事ですが、それと同時に、医師側もリスクに対して甘く考えないようにしなければいけません。 当院では、立ち会い出産を望む方が多く、以前は「立ち会いの心得」などを説明していましたが、最近は無粂件で歓迎しています。立ち会っていただいたほうが、危機的な状態になって「今から手術してもいいですか」という時、経過が分かっていただいているので理解が得られやすいメリットがあります。お産のたいへんさも伝わるし、夫や家族が知らない密室という雰囲気がないぶん、お産のトラブルが少なくなるように感じます。 病院間の連携のためには、周りの開業の医師とのコミュニケーションが大切です。どの程度の状態で妊婦さんを送ってくる診療所であるか分かっていれば、こちらも的確な対応ができます。当院では、病診連携のための専任の事務がいて、定期的な訪問をしています。
健診で何回か妊婦さんに会うわけですから、日ごろからコミュニケーションをとっておくことは、リスクマネージメントとしても重要です。妊娠中の経緯からリスクの芽を感じ取り、分業体制ですから他の医師と「この妊婦さんはこうだから気を付けたほうがいい」と情報を共有しておく。今は、妊娠中の体重コントロールや日常生活の指導が浸透したので、重症の妊娠中毒症は少なくなりました。が、若い医師には、命スレスレの危険な症例にあった経験を伝える必要はあります。
―産婦人科の魅力をいかに伝えるか
4月初めに大阪で開催された第27回日本医学会総会で発表された日本の医療事情に関するアンケートで、なり手の少ない科の医師を増やす方策を問う質問で、医療従事者は、給与を上げるなどの優遇策が多かったのに対して、一般市民は、強制的に医師を配置するという回答が一番多かったそうです。 産婦人科の魅力を若い人にどうアピールするか。一生懸命に仕事をしていれば後輩たちがついてきてくれるだろうと思っていましたが、それは通用しない。とは言っても、私自身、基本的には楽しく仕事をしていますし、なによりも、赤ちゃんが生まれるのはうれしいです。医療というのはほとんどがメンテナンスですが、出産だけは新しい命が生まれてくる。これは産科でないと味わえない喜びです。 最近気になるのは、産婦人科の若い女性医師が多くなり「女医さんブーム」もあったので、男性医が萎縮してしまう傾向です。「産婦人科は女性しか入っちゃいけないと思っていました」という男性研修医もいるんですよ。女性相手の仕事ですが、異性の医師という別の観点も必要だと私は思うので、若い男性医にもがんばってほしいですね。 これまで給与保障や休日の確保について何も言わないで黙って仕事をしてきたツケが回ったのかなと、つい先日ほかの病院の産婦人科医たちと話していたんです。医者は勤務医でも、看護師と違って最初から管理職のような位置にいます。若いうちは体力で乗り越えられても、40を過ぎるとさすがに疲れます。良い仕事を長くするためには、やはり労働条件を確保して、医師を増やす方策をとってほしいです。(談)
一般企業の新入社員では、入社後、営業や人事部等に配属されるわけですから、そういう方法もありえるかもしれないですね。誰が決めるかはむずかしいですが。
ただ現状はその逆で、医学部卒業後2年間の実習が、プライマリ業後2年間の実習が、プライマリケア重視、内科重視になったせいで、内科以外の科の希望者が減っているようです。「この科をやりたい」という強い意思がないと2年間辛抱できない。産科の研修は2年間のうちの1ヵ月か6週間だけですから、そこで産科に来てもらうのはむずかしい。
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