昨夜、すこし大淀事件“情報流出”疑惑について整理させていただきましたが、
ここからは私の完全な推論です。 もしよろしければお聞きください。
ネットで出回っている詳細なる医療情報の大半は、マスコミは独自にもっているようだということについて述べさせていただきましたが、
ちょっぴり整理、大淀事件の“情報流出”事件に関して。
それならばなぜ、ネット情報が「陣痛促進剤の被害を考える会」弁護士にとって問題になるか、
またはなったか、ということについて考えてみたいと思います。
読売新聞の2006.10.31 記事から考えてみましょう。
http://www.honey.ne.jp/~yosyan/image/Nara_yomiuri.pdf
■高崎実香さんの経過(診療記録から)
8/7~8
9:20 町立大淀病院に入院。妊娠41週
9:40 陣痛促進剤の内服開始
(昼の血圧測定121/81)
14:55 陣痛促進剤の内服6回目で終了
(夜の血圧測定131/66)
17:20 嘔吐あり、2分ごとに陣痛
21:46 「痛い、痛い」
22:00 嘔吐あり
23:00 「もうイヤ、家に帰りたい」
0:00 頭痛。「こめかみが痛い」。血圧155/84
0:10 胃液を嘔吐
0:14 突然の意識消失。血圧147/73、尿失禁
内科医も呼ぶが「失神でしょう」
1:37 強直性けいれん、いびき。水銀血圧計で
は200/100。主治医は子癇を疑い、けいれ
んを抑えるマグネゾールの投与を開始
1:50 県立医大に「子癇の患者がいる」と転院
要請。内科医がCT撮影を提案するが、
主治医は「動かさないほうがいい」
2:00 瞳孔拡大。血圧148/75
(この間、搬送先を探すが見つからず)
(血圧は上が154~186)
4:30 呼吸困難で気管挿管。国循に搬送決定
4:50 救急車で搬送開始。主治医が付き添う
6:00 国循に到着。脳の手術後、帝王切開で出産
8/16 意識不明のまま死亡
ちょっと前後しますが、脳出血のオンセットがいつか、という問題です。
脳出血について、下記意見があります。
診療情報流出に関する問題
元検弁護士のつぶやき 2007年04月30日
http://www.yabelab.net/blog/2007/04/30-203425.php
No.74 謹慎明けさまのコメント
致死的脳出血が生じたのに軽い麻痺のはずはないですよ。
完全麻痺のはずです。通常、脳出血は突発完成です。死につながった出血はおそらく痙攣直前までなかったはずです。脳血栓なら軽い麻痺が重度にそして大きくなることもありますが。そういう意味でこの脳外科の先生はっきりいってわかっていません。
もちろん、子癇の時の小出血はありえるし、実際にあったかもしれません。
でもそれなら見つかっても保存的だと思いますよ。
なるほど。そして、
医師の秘密漏示
健康、病気なし、医者いらず 2007/04/29(日)
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-183.html#comment
おそらくCTをとっても所見なかったさまの書込みです。
神経内科医です。
流出したカルテを読むまでは医師の責任があると思っていました。意識障害が出現した時の状態では四肢を動かしていた、呼吸は大きな問題はなかったとあります。出血があれば、麻痺があり呼吸も変わっていたはずです。痙攣出現時に出血が起きたとみるのが妥当です。
最初は子癇であったと僕は思います。
そしてそういうストーリーは不自然ではありません。
2007/05/02(水)
時間経過をここでじっくりみてみましょう。
0:14 突然の意識消失。血圧147/73、尿失禁
内科医も呼ぶが「失神でしょう」
1:37 強直性けいれん(←ここで子癇を疑い治療開始しています)
1:37に脳出血だとしたら、まったくどこをとっても何もいう場所はなくなりますね。だって治療開始、おそらく気道確保などの処置後迅速に搬送のための連絡を1:50にしていますし。
誰も文句をいう筋合いはありません。そこから準備して受入先がなかなか見つからなかったことは、問題になるとしたら医師個人についていっても仕方がないことです。
0:14の時点で脳出血、しかも致死的なものがあったかなかったかが
この事件での争点になるのかもしれません。
ここからは、私のただの想像です。
想像といっても、日々妊婦さん方の分娩を見守っている者としての想像です。
まったくの推測ではなく、ある程度真実が含まれるかもしれません。
激しい陣痛中に痛みのため、吐く事はよくあります。
頭痛を訴えることも、意識を失う方もよくおられます。
私は、1:37の痙攣の前後に脳出血があったと考えます。
患者さん家族の視点にこの経過をたってみてみると、なにか見えてくるものがあります。 致死的な脳出血の前と、後とで、容態はがらりと変わったはずです。
大事な母体が、陣痛の痛みにぐったりとなっている、不安だ。
でも医師にも助産師さんにもその不安感が理解されない。
吐いているのに。意識もなくなったよ(0:14)。 変な気がする。(こういうものかもしれないけど)
ご家族にしてみれば不安でしょう。
でも「痛みに弱いね」というような扱いを受けたかもしれません。
というより陣痛に音をあげる方はしょっちゅうですから。。。
それを励ましてなんとか受け入れていただけるかどうかは御本人の頑張りに賭けるしかないのです。
吐いた前後の一時的な意識消失後、夜中なのに内科医を呼び診察を受けさせている時点で、
私はこの大淀病院の産婦人科医をすばらしいとおもいます。
「ああ、いつものこと」と思わずに。念のため、といったところでしょう。
そういった中で、次に起こったのが脳出血(1:37)でした。
ご家族はおそらく、いつ致死的な脳出血が起こったのか、ご存知だと思うのです。というか見ていて・よりそっていてわからないはずがない。
でもそうだとしたら、救われないのかもしれません。
0:14の時点からかわらずに重篤でなければ 苛立ちがつのっていました。 脳出血が起こったのは痙攣の後かもしれない、 でも、家族が責めたいのはそこではないのです。
この事件に関して、文句のつけどころってないからです。 だからそれには触れられたくない。
痛くて苦しんでいる妻を見殺しにされた、
放置された、とそう思っているのでしょう。
「痛がって、吐いているのに放置した」
「冷たい態度を受けた」(もちろん推測です)
それを糾したかったのだと思います。
私の経験の中で、推測しています。
この推測は「ご家族が何を問題にしているのか一医療者として知りたい」という欲求です。
何が悪かったか一生懸命私なりに理解したいというそれだけの考察です。
誹謗中傷のためではありません。
私はカルテをみたわけでも、その場にいたわけでも、
ましてや大淀病院をみたことさえありません。知合いもおりませんし。
どうか御理解くださいませ。
さて、もしもそういった目でみた場合、
問題となったのはネット内に流れた以下の記述かもしれないと思うのです。
(ところで、この証言を誰が流したか、ということについてですが、院内では
たちあった看護師さんは他の看護師さんにいうでしょうし、DrはDr同士で噂します。
誰が流したかという問題ではなく、事件が起こった病院にちょっと関係ある友達に電話すれば、
まったくそこにいなかった人でもこれくらいの情報は得られると思います)
>CTについては、当日当直だった内科医は、自分が担当医に撮影を勧めたことはないと断言し、
>担当医も、内科医からCTに関して助言を受けたことは記憶にない。
>今回の新聞記事の中でこれが一番腑に落ちないところだと言ったそうです。
>産婦人科医師の診察。瞳孔、左右差なし。対光反射もあり偏心も認めない。
>血圧も安定し呼吸も安定。痛覚刺激に顔をしかめて反応。
>念のため内科当直医に診察を依頼。 内科医師すぐに来室、
>患者の概略を説明のうえ、ヒステリー発作の可能性も含めての診察依頼。
>内科医師は一通りの診察を行い、「失神発作でしょう」と答えた。
>ここで産婦人科医は内科医に「頭は大丈夫?」と質問した。内科医は肯定も否定も
>しなかった。(おそらく頷くか何かのジ ェスチャーをしたのではないか。これは推測)
>バイタルサインもよいので経過観察ということで意見一致。
>産婦人科医はここで陣痛と家族の期待に対する精神的負担による失神かと考えたので、
>主人に「今までこんな失神のような事なかったか」と質問すると、
>「なかった」と 主人答える。尿失禁を認めるも、全身状態安定。
>産婦人科医が主人に「全身状態が良いのでこのまま様子を見ます」
>1:00 陣痛発作時は四肢を動かしたり、顔をしかめたりする。
>1:50 内科当直医を呼び出し、循環器系の管理を依頼するとともに、気道確保 搬送手配 (CTの検討はここ)
>2:00 痙攣発作は認めない。瞳孔散大。
ここはほぼみんな伝聞での様子だと思います。(カルテではなく)
あまり分娩をみたこともないはずの内科医も、心因性のような印象を持ったらしい、という情報があまりよくない情報に当たるのではないでしょうか?
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