勤務医 開業つれづれ日記さま、おすすめの本です..。*♡
日本は果たして法治国家だろうか? 「法令遵守」が日本を滅ぼす 郷原 信郎
勤務医 開業つれづれ日記 2007-04-14
http://ameblo.jp/med/entry-10030660324.html
この本、とっても面白いのです。
参考になる文章がありましたので御紹介!!!
本当に「法律」とはなにか
日本における「司法」の役割とは、などを考えさせられる本です。
薄い本ですから、2時間もあれば読破できると思います!
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- 1983~2006年まで検察庁に所属されていたそうです。
- 郷原 信郎
- 「法令遵守」が日本を滅ぼす
「法令遵守」が日本を滅ぼす 郷原信郎 p120-123
第3章 官とマスコミが弊害を助長する
コスト・パフォーマンスのよい「善玉」「悪玉」報道
当局の「違法か合法か」の判断に追従することは、取材のコスト・パフォーマンスという面でも多大なメリットをもたらします。
事件報道において、できるだけ短時間の取材で、分かりやすく、多くの人に読んだり視聴したりしてもらえる記事を作るためには、「善玉」「悪玉」をはっきりさせるのが効率的です。
違法か合法か、つまり善玉か悪玉かについての当局の判断を、読者や視聴者がそのまま受け入れてくれるのが、最も合理的なのです。
それゆえ、善悪の評価が難しいようなややこしい話は、新聞、テレビでは敬遠されがちです。このことが、複雑な背景で起きている事件を単純化し、「法令を遵守しなかったから悪い」「法令遵守さえ徹底すればよい」ということで片付けてしまう傾向を助長しています。
この報道姿勢は、自身のリスクを軽減するという意味でも賢いやり方です。事件報道は、個人や企業の社会的信用を失墜させますから、報道内容への抗議や、場合によっては名誉毀損で訴えられるリスクを伴います。また、大企業は有力な広告主だったりしますから、企業側から反感を買えば広告収入を失うリスクもあります。
一連のリスクを最小限にするのが、当局の判断に追従するというやり方です。当局の判断をそのまま報道しているのであれば、訴訟で賠償を命じられるリスクは全くありません。さらに、不祥事を起こした企業への社会的非難が高まっている場合であれば、どれだけ企業を叩こうが広告収入を失う懸念はなくなります。
そうしたときに起こるのが、メディア・スクラムという現象です。
当局によって企業の違法行為が認定されても、それが単発的であれば、批判報道は一過性のものにとどまります。しかし、雪印事件や三菱自動車事件のように不祥事が重なった場合には、高まる社会的非難が臨界点を超え、メディア・スクラムによるバッシングが始まることになります。
このバッシング報道も、極めてコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。マスコミ全体がひと塊になっているわけですから、ある一社だけが企業側から反感を買うことはないのです。
報道対象にされた企業は、この段階では、もはや完全な「悪玉」です。どんな些細な問題でも、悪徳企業がやったことは「悪事」となるので、次から次へとニュースにされます。
三菱自動車の2回目のリコール隠し事件が発覚し、まさにメディア・スクラムによるバッシングが吹き荒れていたとき、他社の車でも発火事故は起こっていたにもかかわらず、三菱車の事故だけがニュースになっていたのが典型的な例です。その当時、ある記者が、「車の発火事故があったら警察に電話して『三菱ですか』と聞いて、他の会社だったら電話を切ります」と言っていました。取材と報道のコスト・パフォーマンスから言えば、最も合理的なやり方です。
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