おはようございます!
いい朝ですね。今日は大きな手術です。気合い入れていきます。
わたしたち、こんなに一生懸命働いていますけれど、
まだ効率化が足りないと仰る諮問会議のニュースから。
そのあと、医師・看護師不足ニュース、
あと注目はロハス・メディカルブログで傍聴記の質疑の様子です。
そのあと地域ニュース、切り捨てられる社会福祉などをからめて何点か。
はしかと、食中毒の季節です!お気を付けを。ではどうぞ!
公立病院の民営化推進、医療費効率化で大筋合意・諮問会議
日経新聞 2007年5月15日
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070515AT3S1502C15052007.html
政府の経済財政諮問会議は15日、2012年度までの5年間の医療・介護分野の効率化計画で大筋合意した。民営化などで公立病院の改革を進め、民間病院より非効率な経営構造を改めることなどを盛り込んだ。焦点の医療費削減の数値目標は経済財政運営の基本指針(骨太方針2007)への明記は見送るが、安倍晋三首相は改革の詳細設計にあわせ年末までに削減の道筋を示すよう柳沢伯夫厚生労働相に指示した。
計画は医療・介護サービスをより効率よく提供するための20項目の対策を掲げた。6月にまとめる骨太方針に盛り込む。柱となるのはIT(情報技術)の活用。医療機関が健康保険に出す医療費の請求書である診療報酬明細書(レセプト)を紙からオンライン請求に切り替える改革を進める。10年4月までに8割を移行、11年4月までに全面移行することを明記した。
医療効率化計画を了承 コスト削減目標は見送り
東京新聞 2007年5月15日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007051501000859.html
政府の経済財政諮問会議が15日開かれ、社会保障改革のうち、医療費の削減について議論した。柳沢伯夫厚生労働相が、特許切れで割安となっている「後発医薬品」の利用拡大など、今後5年間の医療・介護分野の改革策を盛り込んだ「質向上・効率化プログラム」を提示、了承された。6月にまとめる「骨太の方針」に反映させる。
だが、民間議員が求めていたコスト削減額の数値目標を盛り込むことは見送られた。民間議員が、後発医薬品の利用を今後5年間で倍増させることによって、医療費を約5000億円削減できるなどとした独自の試算を示すにとどまった。民間議員は厚労相に対し、年内により具体的な政策を示すよう要請した。
柳沢厚労相が示した「効率化プログラム」の内容は20項目。後発医薬品の利用率を現行の16・8%から30%以上に引き上げることや、入院医療費の「定額制」の対象病院数を現在の360病院から1000病院に広げることなどを挙げている。
「改善しないと悲劇続く」医療ルネサンス 読者の反響
2007年5月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news001.htm
多摩版で4~5月にかけて掲載した医療特集「都立小児病院の移転統合と多摩医療格差」、産科医不足などを報じた連載「多摩のお産事情」に対し、「医療現場を改善しないと悲劇が続く」などの反響が寄せられた。
◇
「都民なのに都内の病院にことごとく断られた。23区にはいい病院がそろって優遇されている。でも、23区だけが東京ではない」と訴えるのは、昨冬出産した男児が難病で、埼玉県内の病院のNICU(新生児集中治療管理室)に入っている小平市の女性(34)だ。近くにある公立昭和病院、都立府中病院、同八王子小児病院はいずれも満床で入院できなかった。
現在は片道2時間をかけて現在の病院に面会に通う。医師には「長くは生きられないでしょう。面会の回数を増やしたほうがいい」と勧められているが、週2~3回通うのに、交通費だけでも1か月に4万円はかかる。ほかにも幼児を抱え、これ以上面会を増やすのは現実には無理、という。
「現状でこうなのに、さらに病院を統合して何の意味があるのか。多摩にはたくさんの未来を担う子どもたちが住んでいるのに」と、この女性は嘆く。
昨夏、多摩地区にある病院で、産まれたばかりの第一子を亡くした男性(33)は「今の病院環境では、もう子どもを持とうと思えない」と悲痛な声を上げる。出産を担当したのは病院に来て数か月の、初めて見る若手医師だった。妻の陣痛が長く続き、帝王切開を希望したが、医師は聞き入れず、分娩(ぶんべん)台の操作や胎児の引き出し方などにも手間取り、赤ちゃんは生まれて1時間で死んでしまった。
男性が問い詰めた結果、病院側は不手際を認め、謝罪したが、男性は、医師や看護師が出産中に雑談し、あるいは男性との話し合い中に居眠りし、患者に乱雑な対応をする姿を幾度も目にした。その背景に「人手不足で疲れ果て、まともな患者ケアや適切な人事配置もできない病院の実態」を強く感じ取った。
第一子を失ったことについて、妻は「私のせい」と自分を責め続けた。芸能人の出産のニュースや、ベビーカーを引いた家族連れの姿に接するたび、夫婦ともにふさぎ込む。もう子どもを持つつもりはない。
男性は「医師の働く環境を改善しなければ、どこでも起こりうる。私たちのような不幸を二度と起こさないように、誰もが安心して子どもを産める環境を整えてほしい」と訴える。
長女の出産時、切迫流早産で計7か月入院し、仮死状態で生まれた長男は新生児黄だんにかかり、さらに子宮破裂のリスクを抱えつつ二男を産み、「産婦人科には精通した」という府中市の藤田潮さん(41)も、産科医不足の深刻な現状を指摘する。「現場の医師や看護師は一生懸命だが、仕事の性質上、予見できないリスクを防止するために心身ともに消耗し、気の毒だった」
研修医制度の導入、診療報酬の引き下げ、高度医療集約化など、現在の医療制度が様々な弊害をもたらしたという声も少なくない。ある年配の医師は言う。
「私たちが医師になった数十年前は、人間の命に携わる仕事に誇りを持っていた。今は命に関係する仕事をしたくない医師が増えているようだ。世の中の風潮が助長しているのでは」
救急「古川方式」悲鳴 軽症患者 大崎市外から続々/宮城
2007年5月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news001.htm
平日夜間と土曜午後・夜間の救急医療に取り組む大崎市が、市外からの受診者や風邪などで診察を受ける軽症患者の増加に苦慮している。大崎市は「この状態が続けば、医療スタッフの過剰負担となり、業務に支障を来す恐れがある」として、栗原市、登米市、加美町など周辺6市町に対し、緊急時以外に利用しないよう、異例の申し入れを行った。
大崎市では、平日夜間(午後6時~翌日午前7時半)と、土曜午後・夜間(午後1時半~翌日午前7時半)の救急医療について、古川地区の8病院が週1回ずつ担当する「輪番制」を導入。市医師会に委託している市の単独事業で、毎年約1億円を負担している。
ところが、2005年度に受け入れた患者計9874人のうち、大崎市内は7199人。残り2675人(27・1%)は加美町785人、美里町738人、栗原市292人、涌谷町146人、色麻町125人、登米市108人など、事業で負担していない市外からだった。
03年度との比較で、増加率が最も高かったのは、登米市の170%で、続いて栗原市の39・1%、美里町の12・7%、加美町の11・4%などの順となっている。
夜間に利用する理由については、「昼間は混んでいて待たされる」「日中、忙しかったから」などと、自分勝手な都合で受診する人も少なくない。こうした傾向に病院側では医療スタッフの確保など負担が大きいという。
大崎市は広報で市民に受診マナーを呼びかけるとともに、今年2月末、周辺市町に対し、「救急患者の受診はもちろん、医師の翌日の診療にも大きな支障を来すことになり、このままでは救急医療体制の崩壊が懸念される」と、厳しい現状を説明し、「当番医療機関の診療状況によっては、診察を断ることもある」と、理解を求めた。これに対し、加美町は「可能な限り、郡内の病院で診察を受けてほしい」と、広報で要請した。
この輪番制は1994年、古川市立病院(現・大崎市民病院)の救命救急センターの設立に伴い、センターが高次の救急医療に専念できるよう初期救急を分担するため考案された。休日日中の「在宅当番医制」、休日夜間の「病院群輪番制」と合わせ、365日、24時間切れ目なく診察が受けられる「古川方式」と呼ばれている。大崎市医師会の佐藤重行会長(73)は「医師としての強い意志で継続してきたが、いつでも受診できることに慣れや甘えが出ているように思う。医療担当者、住民、行政が協力してこそ効率的、効果的な救急医療が可能なことをわかってほしい」と話している。
看護師配置巡る“争奪戦”、6割の病院が予定数確保できず
2007年5月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070515i105.htm
昨年の診療報酬改定で看護師配置の新基準が導入されたことに伴い、全国の病院を舞台に巻き起こった看護師の“争奪戦”。その行方を日本看護協会が調べたところ、予定していた看護師数を確保できなかった病院が6割近くに上ることがわかった。
教育体制などを充実させた病院が確保に成功したのに対し、給与など基本的な条件の悪い病院は苦戦しており、“勝ち組”“負け組”がくっきりと分かれた形だ。
新基準は、「入院患者7人に対し看護師1人(7対1)」という手厚い配置にすると、入院基本料の診療報酬が増額されるというもの。同協会では、この新基準が、今春の看護師採用に与えた影響を調べるため、4月中旬、一般病床を持つ全国3000病院に緊急アンケートを実施。1443病院(48・1%)から有効回答があった。
それによると、4月時点で、必要な看護師数を確保できなかった病院は847施設(58・7%)。確保できた540施設(37・4%)を大幅に上回った。
確保できた病院は、その理由として、「教育研修体制の充実」(38・3%)、「夜勤や人員配置など勤務体制の工夫」(38・1%)などを挙げたのに対し、うまくいかなかった病院は「給与」(45・8%)、「病院の知名度」(38・3%)という基本条件を敗因に挙げていた。
また、離職が昨年に比べて減少したと答えた病院は、入院患者と看護師の比率を「7対1」にしている病院で37・1%、「10対1」27・6%、「13対1」24・5%、「15対1」21・6%で、看護師配置が多いほど、離職者は少なかった。日本看護協会では「労働条件を整えれば、看護師は集まる。看護師が来ないと嘆くのではなく、来ない理由を改善する努力が必要」としている。
「7対1」基準を巡っては、診療報酬を決める厚生労働省の中央社会保険医療協議会が、「必要ない病院も導入する動きがある」として、来年度の改定で、手厚い看護が必要な入院患者が多い病院に限って認めるよう見直す方針を決めている。
准看護師の内診、元院長ら不起訴 青森
中国新聞 '07/5/15
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200705150322.html
青森県の民間診療所(現在は閉鎖)で、医師と助産師にしか認められていないとされる出産時の内診を准看護師にさせたとして、県警が保健師助産師看護師法違反(助産師業務の制限)の疑いで、元院長と准看護師を書類送検し、その後不起訴になったことが十五日、関係者の話で分かった。
元院長は共同通信の取材に「募集しても助産師は一時期を除いて来てくれなかった」と説明。地方の助産師不足があらためて浮き彫りになった。
関係者によると、元院長は二〇〇四年一月、県内の女性(27)が女児を出産した際、内診を准看護師にさせたとされる。女性が告発状を提出し、県警は昨年十一月、元院長の自宅などを家宅捜索、書類送検したが、青森地検が昨年末、不起訴にした。理由は明らかにしていないが、嫌疑不十分と判断したとみられる。女児は血中の酸素不足などで別の病院に搬送され、〇四年三月に亡くなった。
元院長は「酸素供給などの措置を取ったが回復しなかった。処置にミスはなかった」と説明。診療所を閉鎖した理由について「この件が心に重くのしかかった。『先生を一生恨みます』という遺族の言葉が忘れられない」と語った。
一方、女性は「助産師なら早い対応が可能で、死なずにすんだのではないか。元院長は謝罪してほしい」と話す。
無資格の助産では、堀病院(横浜市)の元院長らが同法違反容疑で書類送検され、横浜地検がことし二月「構造的問題で、行政が解決すべきだ」と起訴猶予にした。
患者、術後に死亡岩手医大/岩手
2007年5月16日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news004.htm
岩手医科大の循環器医療センターで治療を受けていた男性患者が15日死亡し、岩手医大から届け出を受けた盛岡東署が現場検証を行った。
関係者によると、病院側は循環器系の手術をした男性に栄養剤を投与しようと挿管したが、その後死亡したとみられる。岩手医大は16日に記者会見を開き、事実を公表する予定。
地域、診療科の偏在解消を
公明新聞:2007年5月15日
http://www.komei.or.jp/news/2007/0515/8773.html
14日の参院行政監視委員会で公明党の風間昶氏は、医師不足対策について、「医師が地域に偏在していることを解決すべき」と強調し、政府の見解をただした。
菅原一秀厚生労働大臣政務官は、「国民生活に直結する重要かつ緊急な課題として、医師不足の解消に向けて、今後さらに早急かつ力強く取り組みを進めていく」と答えた。
また風間氏は、日本医師会が実施したアンケートに触れ、国民が医療に対して、夜間や休日の診療、救急医療体制の整備を望んでいることに言及。特に、産科や小児科の医師不足が問題になっていることを指摘し、「医師の診療科別の偏在も問題だ」と訴えた。
菅原大臣政務官は、産科医や小児科医に女性が多い点に触れ、「女性医師が働きやすい環境整備を着実に進めていく」と述べた。
こちらもぜひ参考に!
行政監視
ロハス・メディカルブログ 2007年05月14日
http://lohasmedical.jp/blog/2007/05/post_644.php#more
県市長会:道路整備など6項目要望へ--須賀川で /福島
毎日新聞 2007年5月15日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/fukushima/news/20070515ddlk07010372000c.html
県内13市の県市長会(会長、相楽新平・須賀川市長)が14日、須賀川市産業会館で開かれ、道路整備など国への要望6項目を決めた。道路整備については「地方の暮らしに直結しており、停滞は容認できない」として、特別決議として採択した。道路特定財源について「すべてを道路財源に充当し十分な道路予算を」と求め、政府が進める一般財源化をけん制した。
このほか、一般要望は▽小児科、産科で特に深刻化している医師不足の解消▽国保制度の抜本的改革▽来年度から導入される後期高齢者医療制度に向けたシステム改修などの補助拡充▽高齢者への住民税など課税軽減▽特別支援教育の教職員の増員--の5項目。要望は22日に仙台市内で開かれる東北市長会総会で提案する。
県保健医療計画改訂 4病院長病診連携を検証 医師不足受け18日初推進会議/島根
2007年5月16日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news001.htm
2007年度末までに予定されている県保健医療計画の改訂で、県は県立中央病院(出雲市)などの4病院長でつくる「医療連携推進会議」を新設し、計画の骨子を検証させることを決めた。18日に初会合を開く。離島や中山間地域の医師不足問題を受け、医療現場の視点から検証するのが狙いで、県医療対策課は「地域の実情を考慮し、患者のニーズに応える計画を作成する〈道しるべ〉を示してもらえれば」としている。
同課によると、推進会議は県立中央病院の中川正久院長、浜田地域医療センター(浜田市)の日野理彦院長、公立隠岐病院(隠岐の島町)の武田博士院長、公立邑智病院(邑南町)の石原晋院長で構成。
県は昨年6、7月、松江や浜田、隠岐など県内7圏域ごとに、中核病院や地元医師会、住民代表などによる「地域保健医療対策会議」を設置。圏域の中核施設と周辺の診療所が診療時間を調整したり、診療科ごとに得意な医師を融通しあったりする「病診連携」などについて、患者の負担を抑えつつ医師の負担軽減を図る方策を検討している。
各圏域ごとの医療対策会議がまとめた骨子を計画案とする前に、「医療連携推進会議」で、診療所との連携を図るなどのへき地医療対策などに携わる病院長が妥当かどうかを検証する。具体的には、症例ごとの搬送先指定に問題がないかなどを検証する見通し。
県が推進会議の意見を踏まえて計画案を策定。計画案を県医療審議会に諮り、審議会の答申を08年度から実施する新しい県保健医療計画に反映させる。
計画案は、推進会議での検証を経て、7月下旬ごろに開かれる審議会で明らかにされる予定。
同課は「医師確保が困難な現状で、患者の利用と医師の負担を考えた無駄のない運用が不可欠。連携の方向性を現場の院長らに確かめてもらい、望ましい体制を目指す」としている。
高齢者虐待106件通報 介護疲れが引き金に/秋田
2007年5月16日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news003.htm
高齢者虐待防止法の施行(2006年4月)後の1年間、県内の高齢者虐待通報は106件あり、うち67件は虐待と認定されたことが、県などの調べでわかった。いずれも在宅の高齢者で、介護疲れが虐待に発展するケースが多いという。一方で、虐待通報は「氷山の一角」との見方もあり、関係機関の対策が急がれる。
通報の内訳は、暴行などであざや痛みを負わせる「身体的虐待」が最多で56件。脅しや無視などで精神的苦痛を与える「心理的虐待」32件、本人の財産などを無断で使う「経済的虐待」20件、「介護・世話の放棄・放任」19件と続いた。刑事事件に発展するケースはなかったが、施設入所などの保護は28件あった。
大館市では、認知症の女性が同居者から殴る、けるなどの暴力を受け、女性を市内のグループホームに入所させ、引き離した事例があったという。同市長寿支援課は「20件の通報のうち認定は14件。介護疲れのほか、認知症などの病状を理解できずに虐待に発展するケースが少なくない」と話す。
虐待の現場は家庭内のため、表面化しにくい面もある。通報者の約6割は「職務上知り得た者」(65件)で、「本人」は20件、「親族」は16件にとどまった。通報ゼロの自治体は、ほぼ半数の11市町村に上る。
市町村による虐待対策は、改正介護保険法に基づき、拠点となる「地域包括支援センター」の整備が進む。県内には既に全25市町村計40か所にある。このほか、湯沢市では、同センターや医療、警察、自治組織などによる「市高齢者虐待防止対応地域ネットワーク会議」が発足するなど、地域を挙げて対策に乗り出す動きも出ている。
「赤ちゃんポスト」運用初日に想定外の3歳児
2007年5月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070515i103.htm
親が養育できない新生児を匿名で託す熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)の「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」に、運用初日の今月10日、3歳とみられる男児が預けられていたことが15日、わかった。男児は、父親に連れて来られて赤ちゃんポストに入れられたと話しているという。熊本県警は保護責任者遺棄罪に当たるかどうか調べている。想定していた「赤ちゃん」ではなかったことで、「養育放棄を助長しかねない」との声が強まりそうだ。
関係者によると、男児が預けられたのは、運用を開始した10日正午の2、3時間後らしい。男児は名前を名乗り、3歳と話している。話の内容から、熊本県外から連れて来られたとみられる。健康状態は良好で、身元を示すものはないという。県警は男児の身元を特定したうえで、保護者から事情を聞く方針。蓮田太二副院長は「医療人としてコメントできない」との談話を発表した。赤ちゃんポスト設置を許可した熊本市も「児童福祉法や市情報公開条例に基づき、子どもの人権を守る立場にある」として「コメントできない」と話している。
「赤ちゃんポスト」については「失われる命を救う試み」と容認の声がある一方で、「養育放棄を助長する」との反対意見も根強い。このため、病院は「預ける前に、まず悩みを相談してほしい」と呼びかけていた。
赤ちゃんポストは病院1階の新生児相談室に設けられている。壁に扉(縦50センチ、横60センチ)があり、外側から扉を開け、室内の保育器に子どもを入れる仕組み。扉が開くとナースステーションのブザーが鳴り、相談室の監視カメラが保育器を映し出し、助産師や医師が駆けつける。
病院側は警察や市、児童相談所に連絡する。新生児は乳児院へ移され、原則2歳まで育てられる。その後は児童養護施設に収容される。
農業協同組合研究会 第5回シンポジウム
「格差社会への対抗軸を考える-農村の現実から」(2)
明治大学教授 小田切徳美氏
http://www.jacom.or.jp/jake/kenkyu/jaca101s07051402.html
(前略)
森田氏は、現在の政治が工業偏重になっていると強調。「農業には向かないシステム、農業を弾圧するシステム」になっており、とくに講演で指摘した米国流の資本主義下では農業は成り立たないと話した。
(略)
◆空洞化の「里下り現象」
農山村には今、5つの新しい傾向が生まれています。
1番めは人、土地、ムラの空洞化という3つの空洞化が発生しており、この3つの基層を成している「誇りの空洞化」も進行していることです。地域に住み続ける誇り、意味、それが見いだせない。
さらに問題なのは、これが中山間地域から平場地域に向かって急速に広がり始めていること。ちょうど世紀の変わり目あたりから地域の空洞化が日本の農山村全体を覆い尽くすような状況が生まれている。私はこの現象を「空洞化の里くだり現象」と呼んでいます。
さらに現在では空洞化のフロンティアは人口3万~5万人程度の地方中小都市ではないかと思う。例えば、中国山地でみると産婦人科や小児科などの医療や映画館などの娯楽施設が、急速に欠落しつつあることがわかります。
2番目は中山間地域での限界集落問題です。総務省と国交省の共同調査では全国で2600集落が消滅のおそれにある。
私たちは、統計分析のうえ、集落に残る青壮年層(30~64歳)の絶対数が4人を切るところから集落機能が急速に脆弱化すると指摘してきた。具体的に分析するとたとえば山口県では周防山間地域にこの壮年人口4人未満集落が出現しており、人の手が入らない森や水田が増大し社会的空白地帯となっていることが分かります。
こういう議論をすると、乱暴な経済学者からは、集落が消滅してなぜ悪い、集落を維持するとコストがかかるからそこに住む人々は都市に出てくるべきだと公然と言われる。それでは限界集落化によってどんな問題が起きているのか。市町村へのアンケート調査では消滅した集落がある市町村の約37%で「ごみや産廃の不法投棄がある」と回答している。限界集落問題は国土政策の大きな焦点であるのが実態です。(略)
HIVとともに産み育てる(1)「陽性」妊婦健診で衝撃
2007年5月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/feature/20070515ik06.htm
実績ある病院で無事出産
「あなたはHIVに感染しています」。東日本に住む30歳代のA子さんは数年前、妊娠6か月の健診に訪れた産婦人科で、こう告げられた。
ぼう然としているA子さんに、医師は「出産すると母子感染のリスクがある。ここでは対応できないので、別の病院を紹介する」と言った。
おなかの子の父親とは既に別れており、シングルマザーになるつもりだった。流産の経験もあり、どうしても産みたかった。「リスクって何%ぐらいですか」「産める可能性は」と必死で尋ねた。しかし医師は「あとは紹介先の病院で聞いて」と言うばかり。
「もう6か月なのに、赤ちゃんはどうなるの」
インターネットで「母子感染」を検索したが、「産める」という情報にたどり着けず、絶望感が募った。
昨年1年間に国内で報告された女性のHIV感染者/エイズ患者数は、全体の約1割に当たる126人(速報値)。1985年から昨年までの累計では2330人と、全体の2割近くになる。日本人の異性間性的接触による感染者に限れば、10歳代後半と20歳代前半では、女性が男性を上回っている。
母子感染予防のため、ここ数年で妊婦へのHIV検査が急速に普及。都道府県別の検査実施率は、05年の全国平均で94・7%に達している。厚生労働省研究班によると、97年以降、毎年30人前後のHIV陽性妊婦が報告されていたが、03年の26人から06年は46人と、この3年間で77%増加した。
研究班の一員で、帝京大医学部准教授の喜多恒和さんは「若い女性の間でクラミジアなどの性感染症が広がっていることを考えても、HIV陽性女性の妊娠は、今後、増えていくだろう」とみる。
だが、妊娠時の検査で陽性が判明した女性の場合、自ら保健所や病院に検査に出向いた人とは違い、予備知識も心の準備もないことが多い。
また、検査結果を告げる産科医は、必ずしもHIVに詳しいとは限らず、十分な説明を受けられないことも。ただでさえ心身が不安定な妊娠初期に、自分と子どもはどうなるのか、さらに夫との関係など多くの不安にさらされる。
A子さんの場合は幸い、たまたま紹介された病院が、HIV診療の実績のある病院だったため、「産めますよ」と丁寧な説明を受け、投薬をはじめとする母子感染予防策を講じた上で、長女を無事出産。母子感染も防げた。今は長女を保育園に預け、元気に働いている。しかし、出産前には、生活保護の申請で訪れた役所の窓口で「子どもを産んでいいと思ってるの!」という言葉を投げつけられたことさえある。
「HIV陽性でも、普通に働きながら子育てする女性がいることを、多くの人に知ってもらいたい」と訴える。
母子感染ほぼ防ぐ 投薬・帝王切開出産
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」の略で、一般にはエイズウイルスと呼ばれる。感染すると免疫機能が破壊され、健康な人なら発症しないような感染症や悪性腫瘍(しゅよう)などを引き起こす。それらの症状をエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼び、発症者をエイズ患者、潜伏期の未発症者をHIV感染者(陽性者)と呼ぶ。
1990年代半ば、複数の抗ウイルス薬を組み合わせて使う「多剤併用療法」が登場。ウイルスを完全になくすことはできないが、ウイルス量を抑え、長期間にわたって発症を防ぐことが可能になった。出産時の母子感染についても、事前に薬で母親のウイルス量を抑え、帝王切開で出産するなど必要な対策を取れば、ほぼ防げるようになった。
6月、住民税が上がる=国民健康保険料もつれて上がる
ライブドアニュース 2007年05月16日
http://news.livedoor.com/article/detail/3163464/
15日、総務省が6月に三位一体の改革で、所得税から住民税に税源が移譲される、と発表した。所得税が減った分住民税が増えて、年間で見れば、今までと変わらないと説明している。確かに、長い目で見れば、変わらないだろうが、19年度から定率減税が全廃される。それで、税全体としては、18年度に比べて増税になる。平成18年度は所得税額の10%と、個人住民税の所得割で税額の7.5%が引いてあった。二つの上限を合わせると、年額12.5万円+2万円=14.5万円が19年度に増えることになる。経済の環境が良くなったから元に戻すと言っても、増税に代わりはない。つまり、上限で月に約1万2000円が増える。
まあ、そのぐらいなら良いかと思っていると間違いだ。国民健康保険は住民税に一定の比率つまり、1.82を掛けているのが基礎になっているのだから、住民税が増えれば国民健康保険料も増えるのだ。総務省の試算で考えてみる。国民健康保険料は、基礎保険料と介護納付分を足したものだ。基礎保険料は、一人あたり、3万3300円の均等割額と、加入者全員の住民税X1.82の基礎保険料(医療保険)。介護納付分は、40才から64才の加入者一人あたりの均等割額1万1200円と、同住民税x0.29の合計だ。
総務省のデータから、夫婦+子ども2人、年額500万円だと、定額減税廃止後年間所得税で1万1900円上がり、住民税で5700円上がるので、合計17600円の増税になる。保険料の住民税比例増分を計算すると、5700円X1.82=10374円で、4674円の増加になる。これは、総務省の説明には書いてなかった。独身だったり所得が増えれば、この部分はもっと大きくなる。国民健康保険は大切な医療の元になるものだから、増えるのが悪いとは言わないが、今のように、医療格差や、産婦人科、小児科の医師が不足し、外科の特に勤務医の条件が劣悪のままでは、納得できない。
二束三文にしかならない箱物を何千億円もかけて建て、保険金を食いつぶしたのは、政府であり官僚だ。それを取り戻すためか、特に、公立病院の損益のために、人出を減らし、医師を減らし、医療の質は落ちるばかりだ。さらに、そっと、国民健康保険料を上げるだけでは納得できない。箱物に使ってしまった金額があれば、赤字の公立病院の補填で、格差のない医療を受けられたはずだ。医療とは本来利益を追うべきではなく、赤字でもそれを少しずつ補填しながら、良質の医療を保ってゆくべきではないか。
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