最近、撤退のDr方がいろいろゴミ箱を充実させていってくださるので、嬉しいです..。*♡ では、どうぞ!!!
イエローストーン国立公園で脳卒中で倒れた日本人の医療費1240万円/米国
MMJ January 2007 Vol.3 No1 p78-79
自然を保護し楽しむ
C02などの排出量削滅の数値目標を掲げた気候変動に関する枠組み条約の国連京都議定書の受け入れを拒否している米国は、環境保護への意識か遅れているという印象があります。しかし、米国内に点在する53ヵ所のNational Park(国立公園)、380カ所の国定公園や名所(www.nps.gov)、あるいはさらに広大なUS National Forests (www.fs.fed.us) を1度でも訪れると、この国が西部開拓時代後期から100年以上にわたり、自然環境保護に努めてきたことが実感できます。しかも、多くの国民が自然に親しめるようパークレンジャーによるミニレクチャー、ガイド付きツアー、トレイル(自然歩道)の整備、さらにはスキーやスノーシュートレッキングの普及にも力を注いでいます。
Leave No Trace!
米国のThe National Park Seviceは、州政府から独立した連邦政府機関であり、その管理する国立公園の総面積は33万km2(九州を除いた日本の面積相当)で、そのすべてが国有地です。National Parkでは、ロッジ内はもとより、人為的な火災防止のため屋外も禁煙です。指定されたトレイル以外に立ち入るには、Permit(許可証)を必要とします。
“Leave No Trace!"のスローガンのもと「持ち込んだものは何1つ残してはいけない」「落ち葉一枚、石1つも持ち出してはいけない」「排泄物は、水源を離れて地中に埋める」などの厳しいルールがあります。ルールを破ると処罰されますが、悪質なケースでは最高25万米ドルの罰金などか科せられます。
また、えさを与えられて人になれた熊が人を襲った事例や食物連鎖の頂点にあった狼が絶滅してしまったという失敗を通して、「鳥、リス、鹿、熊、狼などの野生動物には、一切えさを与えないこと」「熊などの野生動物が食べないようにキャンプでは金属缶に食料を入れてふたをして、ロープで吊るす」「車の中に食物などを入れたまま夜間駐車しない」といった詳細なルールが定められています。
TVもエアコンもない
National Parkに入場する際に、歩行者や自転車は2~7米ドル、車両は1台4~20米ドル支払うと1週間自由に出入りできます。また、キャンピングカーやRVにテントを積んで旅する退職者夫婦などのための1年間有効のパスは50米ドル。61歳以上の米国シニア用のGolden Age Passportは10米ドルで入場料が無料になり、宿泊料やイベント参加費は半額になるほか、身体障害者にはGolden A Class Passportが無料で発行されて、それによりシニアと同様の特典が受けられます。
またNational Park内の平均的なロッジは、自然を味わう滞在型ツアーのための施設であるためテレビもエアコンもなし(冬季の暖房はあり)。電話や電気配線もないロッジも多数あります。ただし、ビジターセンター、飲料水、水洗トイレやシャワーなどのべ一シックな共用設備は充実しています。
国立公園内のクリニック
Geyserと呼ばれる温泉水を空高く吹き上げる間欠泉が300ヵ所もあり、約1万ヵ所の温泉を持つYellowstone National Parkは、ワイオミング、モンタナ、アイダホの3州にまたがる世界最大で1872年に誕生した世界最古の国立公園です。その面積は約9,000km2で四国の約半分。入場料は、自動車が20米ドル、バイク15米ドル、歩行者10米ドルで、いずれも7日間有効です。
ここは野生動物の宝庫としても知られ、狼、グリズリー(灰色熊)、ブラックベア(黒色熊)、バッファロー、エルク、ムース、シェール鹿、コヨーテ、ナキウサギ、リスなど58種類の動物、約320種類の鳥類、そして1,000種類以上の植物が生息しています。
園内には、5月末~9月の中旬まで3つのクリニックが開設されます。そのうちの1つ“Lake Clinic, Pharmacy, and Hospital"の診療時間は8時半~20時半の12時間、ただし、ER(救急室)は24時間開いています。
ヘリ搬送しERで治療
では、脳卒中で倒れて運び込まれた日本人に、緊急トレナージ手術が必要と診断されたケースの医療費を紹介しましょう。いくつかの選択肢があります。 北に隣接したモンタナ州のビリングス市にヘリコプター搬送する場合、搬送費用は基本料金5,297米ドル(63万6千円)に加えて1マイル当たり43.2米ドル(約5,200円)かかります。このメディカルフライトサービスには、医師の指示(メディカルコントロール)を受けてフライトナースが行う、気管内挿管、フライト中の人工呼吸器の使用、スタンダードモニター、薬剤を使用しての血圧コントロール、フライト中1回の血液ガス分析の費用が含まれます。
搬送先のERで動脈カテーテルと中心静脈カテーテルを入れて、頭部CTをとりICUに入院し、翌日には頭蓋骨にドリルで孔をあけて、脳室のドレーンを行ったとします。ICUに10日間入院した後、2人部屋に移り脳卒中後のリハビリを受けてさらに30日入院したが、半身不随のため自力歩行できず、ストレッチャー搬送で日本に帰国する時にかかる搬送費を除いたクリニックでの医療費の概要を表に示します。
日本ならぱ200万円
実際はこの病院費用以外に医師費用か別途加わります。
例えば、バルーンカテーテルのトラブルで、1回コンサルトした場合の泌尿器科の費用は、手技も含めると590米ドル(7万円)。主治医の神経科医の費用は合計で4,784米ドル(57万円)です。
ちなみに東京近郊の脳外科救急病院で同様の治療を行った場合は部屋代を含め約200万円です。
米国の新聞にあった2こま漫画から政治家と聴衆のやりとりを紹介しましょう。政治家が演説します。
“lt's great to live a country where everyone has access to a lawyer."
(すべての人が弁護士に相談できるこの国はすぱらしい)。
すると聴衆の1人が応じます。
“Now, if could just add Doctor to that."(弁護士のように、医師に自由にかかれたらなあ!)。
帰国時のビリングスからサンフランシスコまでの移動に必要なアンビュランスジェットは、約18,300米ドル(220万円)です。
コメント