いつもお世話になっております、 ssd's Diaryコメント欄より。
ドクターヘリと核武装論
ssd's Diary April 11, 2007
http://ssd.dyndns.info/Diary/archives/2007/04/post_207.html
ドクターヘリは私にとって結構ツボななんですが、
ヘリに乗った経験からするととってもこわいのです。
あんな怖いもん、よく乗るな、という気がします。
ここのコメント欄から、いいHPを拾ってきました!
<米国調査報告書>
第6章 救急飛行における安全の確保
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7233/uschosa21.html
救急飛行は、戦場での飛行を除いては、ヘリコプターにとって最も危険な任務といわれる。上述のように、事故はいっこうに減らないし、近年は増加する傾向すら見せてきた。
しかし、救急飛行の事故率がことさら高いわけではない。そのことをシカゴ大学航空医療ネットワーク(UCAN)は表6-3によって示している。過去20年間の平均は、確かに救急飛行の死亡事故率がヘリコプター全体および飛行機を含むジェネラル・アビエーション全体に対して高い数値になっている。しかし過去10年間の平均は通常運航よりも低く、最も安全な飛行ぶりを示した。
ヘリコプター救急 ヘリコプター全体 ジェネラル・アビエーション全体 表6-3 死亡事故率(死亡事故件数/10万飛行時間)
[資料]UCAN,2002年11月
ところが最近5年間の平均は元に戻って、きわめて悪い状況を示している。何故そんなことが起こるのか。UCANは明確な理由を示していないが、ここでは次のようなことが考えられる。(中略) 事業基盤を石油開発に置いていたアメリカの大手ヘリコプター会社が、こぞって救急事業に参入したからである。
そうなるとヒューマン・ファクターの項でも見たように、ベテラン・パイロットではあるけれども救急経験の少ない者も現場に派遣されるようになる。仕事に不慣れであれば、機種に不慣れであるのと同様に、エラーを招きやすい。
第2に近年、新しい機材が増えた。技術の進歩が速くなったためだが、そうなるとパイロットや技術者の習熟が遅れ気味になる。機種に不慣れであることから、さらにエラーを招くという問題が誰にでも起こり得るのである。
第3に、新規参入のヘリコプター会社が増え、それを受け入れる新しい病院が増えるにつれて、CRMが不足するようになった。CRMは先にも述べたように、先ずパイロットを初めとする運航クルーの間の協調体制だが、加えてヘリコプターに搭乗する医療スタッフの協力も不可欠である。医療スタッフといえども救急機乗組み員の一人であって、ヘリコプターの安全に関する詳細を知っておく必要があり、無線通信や障害物の監視などについても訓練を受ける必要がある。
さらにヘリコプター会社や病院の地上スタッフ、現場救急に協力する警察、消防、自治体を含むコミュニティもしくはカウンティの協調体制ができていなければならない。これもCRMである。このあたりの小さな連絡の漏れや遅れが大事につながることもある。
第4に救急業務へ参入するヘリコプター会社が増えたために、競争が激しくなった。したがってヘリコプターのチャーター料が下がる。一方でアメリカの医療制度から病院経営が苦しくなり、そのしわ寄せがヘリコプター会社にくる。ヘリコプター救急のカバーする範囲が拡大し、量的には増えたけれども、質的な劣化は免れられない。
こうした経済上の問題は、国の経済政策や景気の動向に起因する。これもCRMにほかならないが、国家的なCRMに齟齬や破綻があれば、航空界のどこか弱いところにしわ寄せがきて、事故が起こるのである。
このあたりの問題について、アメリカのある論者はCRMとは別に、ストレスという観点から、おなじような結論に達している。すなわち
「不幸にして現在、アメリカの航空医療サービスは費用削減や競争激化などのきびしい環境下にある。これによって、ヘリコプター救急は本来大きなストレスのかかる作業だが、さらにストレスが加わり、リスクを高めていることは否めない」
「ヘリコプター救急が本来もっているストレスと、外部からの新たな経済的ストレスが、双方相まって事故につながっているのではないか」というのである。
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