東京日和@元勤務医の日々さまよりおすすめの週刊誌です..。*♡
[衝撃の医療格差]今週の週刊ダイヤモンド
東京日和@元勤務医の日々 2007.04.02
http://blog.m3.com/TL/20070402/1
50頁もの医療格差特集で、さすがに読み応えあります。
とりあえず、目に付いたネタからいきます..。*♡
(週刊ダイヤモンド2007/4/7 p66)
「支払わない患者」が激増
3年間の未収金は853億円
三年間で853億円――全国の病院の6割が加入する四病院団体協議会が、こんな数字をはじき出した。加盟医療機関5570施設治療費「未収金」の累計額である。同協議会の調べによれぱ、回答のあった病院のほとんどで患者の自己負担額の未収が生じており、その額は年間で平均728万円。1000万円以上の病院も28%あった。診療報酬切り下げで経営難にあえぐ医療施設にとっては、まさに泣き面に八チだ。
問題は、治療費を支払えない患者だけでなく、「支払わない患者」も増えていることだ。あちこちの病院で目立って増えているのは、治療内容や設備などに難癖をつける「クレーマー」と呼ばれる患者たち。「主治医が若すぎる」「病室が汚れている」「薬の副作用があった」。あれこれと文句をっけ、治療費支払いを拒否しておきながら、毎週のように外来にやって来る。
医師法では正当な理曲がない限り診療を拒否できない。前もって、この患者は不払いを起こしそうだとわかっても、門前払いはできないから始末が悪い。不払い者のなかには、明らかに生活にゆとりのありそうな患者も少なくない。
「ブランドものを身に着け、子どもを私立校に通わせている。下の子にも中学受験をさせるつもり、などと話していたのに、いざ退院となると『とても払えない』と言われた」(郡立墨東病院)
高い差額代を取る都内の超有名病院でもこんな例がある。
『家賃30万円以上のマンションに住み、差額ベッド代の高い部屋に入院しておきながら入院費は払えない、と言い出した。家族に確かめたところ、経営していた会社が倒産したぱかりだとわかった」
自治体の『高額療養費貸付制御度』で給付されたおカネを飲食に使ってしまう人がいる。しかたがないので病院担当者が一緒にもらいに行き、治療費を確保している」
年老いた親の入院費を支払わない子どももいる。『親御さんの年金を支払いに充てられませんか』と言うと、華金は家族の生活費や教育ローンに使っている。とても治療費に回せない』と逃げられてしまった。それきり見舞いにも来なくなり、連絡もありません」(石川勤労者協会城北病院)。
若い夫婦が出産費を払わず雲隠れするケースも多いという。出産費用は平均約三〇万円。確かに健康保険はきかないものの、ほとんどの市町.村では出産一時金として費用を給付してくれるはずだ。
退院後の回収は困難
反撃に出る病院も
前出の東京都立墨東病院の04年度の未収発生率は7・6%に達した。担当者は頭を抱える。患者さんが退院したあとで回収するのは至難の業。分割で支払うという誓約書を書いているにもかかわらず、連絡を絶ってしまうケースが多い。督促状などを出しても効果は期待できない」
公立病院のほか、日本赤十字社、済生会などが運営する「公的病院」の未収金も全体的に多い。冒頭の調査では一施設当たり年間で平均1917万円だ。奥の手は、請求額60万円以下の場合に有効な「少額訴訟制度」、差し押さえなどによる強制徴収も可能な、民法による処分規定『善管注意」などだ。債権業者に取り立てを依頼する医療施設もある。
悪質な未収金をこれ以上放置できないと、厚生労働省は医療関係団体と保険者の検討会を設け、四病協や日本医師会、健康保険組合、学識経験者ともども話合い方針を固めた。
解決への進展を見せない場合、四病協では保険者に対する集団訴訟も検討しているという。05年1月、最高裁判所は松戸市立病院の未収金922万6200円に対し、被告に支払いを求める判決を下した。だが金額はたったの1万6400円。すでに時効となっていたからだ。未収金はとんだ“不良債権”だが、早急に手を打たなけれぱ取り返しのつかないことになる。
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