おはようございます!やっと金曜日!!しかし最近、土日もなかなか休めません。
では元気よく。最後に今日の医療クライシスを載せてあります..。*♡
佐野市民病院の経営問題:婦人科外来も休診 /栃木
2007年4月5日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070405-00000097-mailo-l09
佐野市は3日、同市民病院の今月以降の診療体制を発表した。昨年度末と比べると常勤医師が8人から2人、非常勤医師が50人から30人に激減。眼科に加え、婦人科も外来診療を一時休診する。
医師不足が深刻化している同病院では3月末で、院長、副院長を含む常勤医師8人全員と非常勤医師43人が退職。1日から福光正行・新院長ら常勤医師2人、非常勤医師23人が就任した。しかし、退職医師の後任が見つからない診療科もあり、週5日あった眼科、週1日あった婦人科の外来診療を休止。また、ペインクリニックや女性外来の診療も取りやめる。
同市は、同病院運営の指定管理者制度への移行を目指すが、管理者候補の医療法人との交渉は具体化していない。同市は、福光新院長のケースと同様、今後も法人側から医師の紹介を受けたい考えで、「年度内には(指定管理者交渉が)成立するよう努力したい」(総合政策部)と話している。
制限寸前の柏原病院 過酷な現場、産科医増えず /兵庫
丹波「未来」新聞 2007年3月29日
http://tanba.jp/modules/bulletin6/article.php?storyid=91
産科医や助産師に見守られ、県立柏原病院で無事元気な男の子を出産した女性。地元でのお産は守られるのか―
72人が転院丹波外へ4割
2月末で柏原赤十字病院 (柏原日赤) が分娩の取り扱いを中止した。 今月末で産科も休止となる。 妊婦たちの 「地元で産みたい」 というニーズに応えることはできるのか。 現状を探った。
「柏原病院も急に産科がなくなるんじゃないか。 産めるところがあるのかと心配になった」。 県立柏原病院で3月半ばに出産した女性 (25) =丹波市=は、 「実家に近い病院で産みたい」 と、 柏原日赤を希望したが、 県立柏原を紹介された。
柏原日赤は、 3―7月に分娩を予定していた72人に、 他院への紹介状を書いた。 転院先は患者の選択に任せたものの、 「日赤で産みたい」 という希望は叶えられなかった。 結果的に、 54%の39人が県立柏原へ移り、 約4割の28人が丹波地域外の病院や診療所 (ベッド数19床以下) へ転院した。
県立柏原の産科医は3人。 対応できる分娩数は月35人程度のため、 1月から分娩の予約を取り始めた。 2月には、 3月の予約数が39人になり、 「制限寸前」 の状態に。 今後すでに 「35人」 に達している月も出ている。
医療施設の分娩休止は、 全国で相次いでいる。 国の研修医制度変更が招いた地方の医師不足に加え、 訴訟の多さなどから産科医のなり手がなくなっている。 県医務課の調査によると、 04年4月から今年1月末までに県下で12病院が産科を休止した。
総合病院はいろいろな科の医師やスタッフがいるのが強みだ。 手術となれば、 麻酔科、 外科、 内科らも協力する。 また新生児は小児科医が診るが、 丹波地域では小児科も医師不足だ。「小児科が休止になれば、 産科もやめになる」 と上田康夫・県立柏原産婦人科部長はいう。
365日緊張産科医ら奮闘
産科医の職場は過酷だ。 分娩で病院に泊まることも多い。 他科も同様だが、 当直明けの日は36時間勤務。 「365日緊張を強いられていた。 休みでも遠くへは行けず、 夜中に電話が鳴ると胸が締め付けられるようだった」 とある産科医はいう。
また、 福島県立大野病院の医師が、 帝王切開中の医療事故で患者を死なせたとして、 昨年2月に逮捕、 起訴された事件は、 全国の産科医らに衝撃を与えた。 県立柏原の産科医は 「必死で助けようとしたのに、 逮捕されてしまう。 そんな社会で医者が続けられるだろうか。 あの事件以来、 何かが切れてしまった」 と話す。
「世間の人が考えているように、 お産は絶対安全なものではない」 とある産科医。 柏原日赤の平省三院長も 「お産の安全神話は誤解だと認識してほしい」 と訴える
出産で輸血処置日赤で昨年3件
厚生労働省研究班は、 出産時に一時でも重篤な状態に陥った妊産婦は、 実際の死亡数の70倍以上、 250件に1人の割合にのぼるというアンケート結果を発表した (04年実績で333施設から回答)。 実際、 柏原日赤でも昨年、 大量出血による輸血処置を行った出産が3例あった。 癒着胎盤などで、 分娩前には予想されていなかったケースだ。
国内における妊産婦死亡は、 最近では10万人に4―7人、 周産期死亡 (妊娠22週以後の死産と出生後7日以内の新生児死亡) も、 1000件に5人で、 死亡率の低さは世界トップクラスになったが、 今も昔もお産が 「命がけ」 であることに変わりはない。
05年度は丹波市で531人、 篠山市で297人の赤ちゃんが生まれた。 「里帰り出産」 も含め、 丹波地域内で▽県立柏原=251人▽兵庫医大篠山=85人▽柏原日赤=217人▽タマル産婦人科 (06年) =214人―が出産した。
柏原日赤の産科が廃止されたが、 「受け皿」 とされる県立柏原の産科医は増えていない。 篠山病院は、 産科医が1人だけになった。 岩﨑忠昭・篠山病院長は 「医師の使命感におぶさっているだけ。 今の医師がいなくなれば、 おそらく後任は派遣されないだろう」 という。
丹波地域の産科は危機的な状況にある。 このままでは本当に、 地元でお産ができなくなってしまうかもしれない。
柏原病院の小児科存続危機(上) /兵庫
丹波「未来」新聞 2007年4月5日
http://tanba.jp/modules/bulletin6/article.php?storyid=99
県の1日付け人事で、 県立柏原病院の院長に前副院長の酒井國安氏 (57) =小児科=が内部昇任したことにより、 小児科の実働医が1人になり、 同科の診療が休診の瀬戸際に立たされている。 県に対し、 強く後任医師の派遣を求めているが、 後任は決まっていない。 残る1人の医師 (41) は、 補充がない場合は5月末での退職を訴えており、 悪くすれば実働常勤医が 「0」 になる。 小児科と密接な関係にある産科も、 小児科がなくなれば医師引き上げの対象になる。 異動がもたらした小児科、 産科の危機的な局面を2回にわたり報告する。
■ □ ■
同病院小児科は昨年、 3760人の入院患者と10266人の外来患者 (救急含む) を診た。 同科の医師は、 昨年4月に1人減った。 前院長らが、 3人体制に戻そうと1年間、 医師招へいに努めたが叶わず、 2人体制を余儀なくされている。
疲労が激しく、 2人でこれまで通りの診療体制を続けるのが難しくなったため、 小児科外来は4月から 「開業医からの紹介を受けた予約患者のみ」 にした。 しかし、 外来予約制は、 酒井氏が院長就任の打診を受ける前に 「医師2人で診療を続ける前提」 で実施を決めたもの。 1人で治療は続けられないという。 日中の外来、 入院患者のケア、 検査のみならず、 24時間体制で、 ①救患②入院患者の急変③いつ産まれるか知れない病的新生児への備え―があるからだ。
人事担当の県病院局管理課は、 「小児科医が不足しているからといって適任者を院長にしないという議論にはならない。 酒井氏が院長になったからといって、 全く小児科を診ないというわけではない。 院長の職務のうち、 他の管理職で対応可能なものであれば、 適当な分担の元でやっていける話だ」 と、 院長と実働医の一人二役を求めている。
現在、 同院長は小児科機能を低下させないため予約外来の診療に立ち、 輪番当番日の当直も、 ICU (集中治療室) の当直にも加わっているが、 院長の最大の任務である、 医師の招へい活動ができていない。 同院長は、 小児科医の仕事にほぼ専念できた副院長時代から週に2、 3日は同病院に泊まっている。 院長職に就き、 仕事量が増えた今、 副院長時代と同じだけ小児科医として勤務するのは、 事実上不可能だ。
院長同様に、 もう一人の医師もほぼ毎月、 時間外勤務が100時間以上に達しており、 オーバーワークで診療を続けている。 「患者さんも医者も命の綱渡り状態だ。 もうこれ以上の負担増には耐えられない」 と悲痛な叫びを上げる。 交代要員がおらず、 1人が連休を取ると、 もう1人が12日間連続勤務になるため、 互いに連休は月1度ずつに抑えている。 医師が3人いた時は、 年2回ずつ参加できていた大きな学会にも、 昨年は1度も参加できなかったという。
柏原赤十字病院の産科休止の影響で、 柏原病院でのお産が増え、 小児科による新生児の治療が今後大幅に増加することが見込まれる。 柏原赤十字病院の小児科が常勤医1人で診療を続けているが、 柏原病院の小児科が入院患者を受け入れなくなると、 小児科輪番制度が崩壊する。
県は今年1月の 「丹波地域医療確保対策圏域会議」 で、 今後の地域医療提供体制について 「小児、 産科の入院機能は県立柏原に集約」 とする将来方針を提案したが、 医師は増えず逆に減る方向で、 構想との整合性が保たれていない。
同院長は、 「精一杯やってもらっているもう1人の医師の負担を増やすことはできず、 できる限り診察に当たる。 この地域の母児医療を守りたい。 1日も早く後任を」 と、 一日千秋の思いで、 後任医師の着任を待ちわびている。
小林市民病院:小児科外来あす再開 1年ぶり医師確保 /宮崎
2007年4月5日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070405-00000306-mailo-l45
医師不在のため昨年4月から休診していた小林市立市民病院の小児科に市出身で前社会保険田川病院(福岡県)小児科医長の柊山(ふきやま)了氏(51)が着任し6日、1年ぶりに診療を再開する。市はもう1人の医師確保に努めているが、見通しは立っていない。1人では入院に対応できず、外来に限っての再開となる。
同病院は西諸県地域2市2町で唯一、小児科の救急・入院施設に位置づけられている。夜間・休日の急患については1カ月のうち何日間かは柊山医師が自宅待機する予定で、市民の不安は多少、緩和される。
同病院の小児科は05年度まで専門医2人が勤務していた。しかし1人が所属先の宮崎大医学部に帰ったのに続き、昨年3月にはもう1人も退職。堀泰一郎市長自ら後任の医師探しに奔走したが確保できず、休診に追い込まれた。この間、急患や入院患者は宮崎市や都城市の病院を利用していた。
角井孝志・企画医事係長は「一日も早く入院も再開できるよう、医師確保に全力を挙げている」と話す。
氷見市民病院、重点的な診療科目に特化 /富山
2007 年 04 月 05 日 KNB Web
http://www2.knb.ne.jp/news/20070405_10895.htm
経営が悪化している氷見市民病院の抜本的な改革を検討する委員会の初会合が5日開かれました。
氷見市民病院は、国の診療報酬のマイナス改訂や医師・看護士不足が原因で患者数が減ったことなどから経営が悪化しています。
県外の自治体病院の病院長などで構成される委員会では「病院存続のためには他の病院と役割を分担し、総合的な病院としてではなく、重点的な診療科目に特化すべきだ」といった意見などが出ていました。
来月には答申がまとまる予定です。
柏原日赤 病床数を半分に/兵庫
丹波「未来」新聞 2007年4月5日
http://tanba.jp/modules/bulletin6/article.php?storyid=96
柏原赤十字病院は4月から、 入院ベッド数を110床から半分の55床に縮小、 看護師と事務職計27人を減員する。 また、 平省三院長 (58) の退職に伴い、 足立和秀・第2内科部長 (52) が、 院長代行を務める。
ベッドの休床は、 医師不足に伴い、 入院患者数が減少したことによるもので、 ベット数に応じて定められた看護師数を減員し、 人件費を抑制する。 60人いた看護師は46人に、 全職員は127人から100人となる。 2006年度決算は、 約4億円の赤字を見込んでいる。
ベット数は1981年ごろには最大で218床あったが、 徐々に減少し、 04年から110床となっていた。
弘大医学生と三村知事懇談 本県医療の現状理解 /青森
2007/04/05 陸奥新報
http://www.mutusinpou.co.jp/news/07040506.html
医学生と知事の懇談会
三村申吾知事は4日、弘前大学医学部コミュニケーションセンターで、今春医学部医学科に入学した学生約100人と懇談し、本県における医師不足の現状や県が取り組む支援策などを紹介し、本県医療への協力を呼び掛けた。
新入生に対する懇談会は3年前から実施。県の医療施策を理解してもらい、卒業後の本県への定着を狙う。今年度の医学科入学者は101人。
懇談会では佐藤敬医学部長が「懇談会は県民の期待の表れ。心に受け止めてほしい」とあいさつ。三村知事は「健やかで安心して暮らせる社会を目指して―青森県の挑戦21世紀の地域づくりへ」と題し、本県における保健、医療、福祉の包括ケアシステム構想を紹介した。
この中で医師不足の課題を挙げ、医学部を目指す高校生から指導医養成までの医育環境整備、女性医師や退転職医師の再就職支援、医師集約化や人事ローテートを行える仕組みづくりなどに取り組んでいるとし、「県もチャレンジしているので、皆さんも医師として一緒にチャレンジして」と訴えた。
この後質疑が行われ、学生からは地域医療や人材ネットワークなどについての質問が出された。青森市出身の當麻絢子さん(18)は「入試で本県の現状を勉強してきたが、実際に知事やスタッフから話が聞けて良かった。本県では産科医が少ないので、女性であることを生かし目指していきたい」と話した。
[解説]新型インフル対策指針 移動制限、地域差の恐れ
2007年4月5日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070405ik06.htm
厚生労働省の新型インフルエンザ対策の指針がまとまった。これを受け、都道府県など自治体の詳細な指針も策定されるが、その対策の実効性を高めるには、扇の要となる国の役割が重要だ。(科学部 藤田勝)
国の指揮系統明確に
新型インフルエンザは、鳥など動物に感染するインフルエンザA型ウイルスが、人から人へと感染しやすいタイプに変異したもので、暖かくなると流行が終息する通常のインフルエンザと異なり、季節に関係なく大流行する。アジアを中心に鳥インフルエンザ感染が拡大しており、出現の切迫性は高まっている。
厚労省の推計によると、国内で新型インフルエンザが流行した場合、最悪で1日約10万人が入院し、17~64万人が死亡する。指針は、一昨年、国がとるべき基本的な対応を示した「行動計画」を具体化し、前線に立つ自治体が実行しやすい新たな対応策を盛り込んだ。
指針は、13分野(計264ページ)に及ぶ。初期の流行を抑える「早期対応」の指針では、患者発生から3日以内に住民に集中的に予防投薬するなど、三つの作戦を示した。ほかに、「医療体制」の指針では、初期と流行時における患者の受け入れ体制などを定め、「薬」「ワクチン」の指針では、優先して投与、接種する職業を明記した。
指針は、1月に公表の原案に対し寄せられた自治体や国民の意見を参考に修正。流行時も、他の病気だけを診療する医療機関を確保するなど、現場での混乱を回避した点は評価できる。
しかし、指針の実効性はなお不透明だ。大流行時、自治体レベルの素早い的確な対応が被害を抑える鍵を握る。しかし、企業や家庭での行動制限を伴う指針に、強制力を持たせることは難しい。さらに、危機意識や医療体制が異なる自治体の取り組みにばらつきが出る恐れが大きい。
例えば、発生初期にウイルスを抑え込むため、流行地での交通制限や移動制限を行う「地域封じ込め」作戦。原案を検討した専門家会議委員から「実行は困難」などの異論が相次ぎ、成案では「人口密度が低い地域や離島では検討可能」という表現に後退した。
しかし、委員の一人である押谷仁・東北大教授は「封じ込めを熱心に実行する自治体と、そうでない自治体が出るはず」と指摘する。
万一隣り合う自治体で、人権にかかわる行動制限への対応が異なれば、封じ込めが機能しないだけでなく、住民の不公平感が噴出し、国や指針への信頼も揺らぎかねない。
委員の谷口清州(きよす)・国立感染症研究所室長は、「約90年前に、米国で新型インフルエンザのスペインかぜが流行した時、積極的な対策をとった市と、そうでない市とで死亡率に大きな差が出た。日本でも同様な状況になりかねない」と懸念する。医療体制が充実した自治体に患者が集中したり、対策が不十分な自治体の行政責任が問われたりする可能性もある。
その意味で、国のリーダーシップに期待する声は大きい。しかし、危機管理に臨む、国の関係省庁対策会議は、実質的には情報の共有が中心。海外在留邦人の安全を確保する外務省や、学校での健康を守る文部科学省などを除き、新型インフルエンザ対策を独自に策定した省庁は少ないのが現状だ。実際、専門家会議で、自治体の委員は「関係省庁が対策に本腰を入れないと、(県でも)保健部局以外を巻き込んだ統一的な対応はしにくい」と注文した。
海外では、国のリーダーが新型インフルエンザ対策の前面に立つ。フランスでは大統領、カナダは首相を長とした対策組織を持つ。国の危機管理には、省庁の枠を超えた強力な指揮権を行使できる体制が必要だからだ。日本でも、自治体が対策の中心になるとしても、国の指揮系統を明確にすることが欠かせない。
指針では、異常行動などの副作用が問題となったインフルエンザ治療薬タミフルについては、原案通り新型インフルエンザ対策の柱に据えられた。厚労省は、異常行動との因果関係解明に乗り出したが、結果次第では、指針の再検討も必要になる。指針の実効性や信頼度を高めるには、こうした指揮系統の明確化、状況に応じた不断の見直しが必要であることを国は銘記しなくてはならない。
◇
新型インフルエンザ対策指針で原案から修正された主な点
<早期対応戦略>
「地域封じ込め」作戦は、ウイルスの感染力が弱い、人口密度が低い、交通量が少ない、人の移動制限が容易などの条件がすべて適合した場合に実施検討
<医療体制>
患者の増加に合わせて5段階で対応。流行拡大時には原則として、すべての病院で対応する
<ワクチン・薬>
優先対象となる職種を明記。医療従事者、救急隊員、医薬品製造販売業者、警察官、自衛隊員、電気・水道・ガス・石油・通信・鉄道・航空業者、国会・地方議員、知事、市町村長など
【薬剤師国試】合格率は75.58%で前年並み
薬事新報 2007年04月05日
http://www.yakuji.co.jp/entry2699.html
「第92回薬剤師国家試験」の合格者が、5日午後2時に発表された。受験者数1万2112人に対し合格者数は9154人であった。合格率は75.58%で、昨年(74.25%)とほぼ同じ水準といえる。
大学別で合格率が最も高かったのは、初めて卒業生を輩出した九州保健福祉大学で97.50%、合格率が9割を超えたのは近畿大学(90.29%)との2校のみ。85~90%も9大学にとどまった。国公私立の別では、国立が69.16%、公立が74.33%、私立が76.72%。
男女別では、男性が合格者3741人で合格率70.58%、女性が5413人で79.46%であり、合格者数の約6割を女性が占めているのは例年通りの傾向である。
【タミフル】客観的データ不足でワーキンググループ設置
薬事新報 2007年04月05日
http://www.yakuji.co.jp/entry2698.html
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は4日に開いた会合で、抗インフルエンザ薬タミフルの今後の措置などについて議論。「現時点でタミフルと異常行動の因果関係は不明」などとした上で、当面は現行措置を継続することが妥当との見解をとりまとめた。
調査会では、タミフルの副作用報告を踏まえて議論されたが、インフルエンザそのものによる異常行動や突然死の可能性もあることに踏まえ、出席した参考人からは「客観的なデータが不足している」とする意見が多く出された。そのため、同調査会では安全性についてさらに詳細な調査検討を行うワーキンググループ(WG)の設置を決めた。調査会の下には臨床的調査検討WGと基礎的調査検討WGを設置するとしている。
臨床的調査検討WGでは、▽異常行動、突然死などの副作用の詳細な調査、またハイリスク患者に特有な問題の有無▽今後の臨床研究の計画、結果▽06年度厚生労働科学研究費補助金「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」の結果‐‐などを検討。
基礎的調査検討WGでは、今後の基礎的研究(タミフルの神経生理学的な作用をさらに明らかにするための脳内への移行など)の計画、結果の検討を行うとしている。
【タミフル】異常行動は128人に発現‐19歳以下が8割を占める
薬事新報 2007年04月05日
http://www.yakuji.co.jp/entry2697.html?PHPSESSID=ed73267554faf29951ed0a58fd05fd70
厚生労働省は4日、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会に、タミフル(一般名:リン酸オセルタミビル)の副作用報告を精査した結果を示した。それによると同剤販売後、3月20日までに報告された副作用のうち、タミフルとの関連が報告された死亡事例は55人あり、うち異常行動が記録された事例は8人、突然死が9人であった。また副作用報告された1079人のうち、異常行動が記録された事例は128人あり、8割近くが19歳以下に集中していたことも明らかになった。
調査会に提出されたのは、タミフル販売開始後に製造販売業者である中外製薬から提出された副作用報告(個別の症例報告)を精査した結果。精査は▽報告された副作用の全体像の把握、症状別の解析▽異常行動を副作用として報告したか否かにかかわらず、何らかの異常な行動が記録されている事例▽タミフルとの関連が報告された死亡事例--について解析・分析された。
厚労省ではこれまで、タミフルの副作用に関し、およそ1800件の副作用が報告されていると公表していたが、データベースで重複例をチェックするなど、さらに内容を精査した。その結果、タミフルの副作用報告件数は1465件(1人で二つの副作用が発現した場合は2件とカウント)、人数ベースでは1079人だった。
1079人のうち、異常行動が記録されていた事例は128人。この中には、ベッドで飛び上がったといったものなど広範な事例までが含まれている。
年代別でみると、10歳未満が33.6%、10~19歳が44.5%で、合計78.1%に達する。他の年代は1~5%台にとどまっており、、異常行動の副作用の多くは、19歳以下から報告されていた。
なお、128事例のうち、インフルエンザウイルス感染が明確なものが93例、感染していないものが9例、不明が26例だった。
一方、タミフルとの関連が報告された死亡例は61人あった。このうち6人は治験中の事例や論文等に記載があった研究報告と、中外製薬がタミフルとは関係ないとないとして報告しなかった事例で、これを除いた55人では、異常行動が記録されていた死亡例は8人、突然死が9人だった。
タミフル服用後の転落・飛びおり事例については、ドクターレター発出を決めた3月20日時点では22人あったとしていたが、同日以降に報告事例を精査したことや新たな事例報告もあり、同省が4日午前7時段階で集計した最新の数字は、10歳代で19人(うち4例が死亡)、その他の年代が4人(うち死亡2人)だった。
一方、副作用報告1465件の内訳をみると、「精神障害」が249件で最も多く、以下「神経系障害」197件、「胃腸障害」169件などが続いていた。年代別では「0~9歳」329件、「10~19歳」255件で、19歳以下の副作用報告が約4割を占めていた。
さらに精神障害を詳細みると、転落・転倒等に直接関係のない10症例を含め、異常行動は77件報告されていた。年齢別でみると「0~9歳」が30件、「10~19歳」が37件だった。異常行動の副作用は、年齢別では19歳以下で9割近くを占めていたことになる。
医療クライシス:医師が足りない/4 出産、育児 現場に打撃
毎日新聞 2007年4月6日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070406ddm002100044000c.html
◇多様な勤務形態、環境整わず
空っぽの保育器や、電源の入っていない心電図モニターが無造作に置かれていた。
聖バルナバ病院(大阪市天王寺区、73床)の新生児集中治療室(NICU)。植田充治院長(58)は「残念ですが今は物置になっています……」と力無く語る。
同病院のNICU(3床)は昨年4月に閉鎖された。きっかけは04~05年、5人いた小児科の常勤医師のうち女性医師2人が、相次いで非常勤医になったことだった。出産し、育児のため日勤しかできなくなったからだ。
残る3人に宿直の負担が集中する中、1人が沖縄の診療所に転職した。他の2人も昨年3月までに、大学に戻るなどして退職。常勤医がゼロになり、24時間態勢のNICUは運営できなくなった。今月までに小児科の常勤医は3人に戻ったが、NICUはまだ再開できていない。
植田院長は苦しい胸の内を明かす。
「女性医師の支援のため保育所を作ることも考えたが、総合病院ほどニーズがない。中小規模の病院が単独で対応しようにも限界がある」
■ ■
住吉市民病院(大阪市住之江区)の小児科に勤める女性医師(31)は、共働きで小さな子どもがいるため、以前は日中の勤務だけだった。しかし、昨年7月に病気で宿直勤務をできない医師が出たため、自主的に宿直を月1回引き受けるようになった。昨年12月には医師1人が退職し、回数を月2回に増やした。
小児科の舟本仁一部長(53)は「女性医師は子育てをしながら、昼間の勤務だけでなく宿直もやってくれる。できれば早く帰宅させてあげたいのだが」と話す。部長自身も月5回の宿直をせざるを得ず、1~2月に取れた休みはわずか3日だ。
「女性医師は、今後ますます増える。貴重な戦力で、勤務形態を柔軟にするなど、女性医師が働きやすい環境を作らないと、医療崩壊が進むだけだ」。舟本部長は危機感を募らせる。
■ ■
厚生労働省が2年に1回実施する「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、医師全体に占める女性医師の割合は、04年は16・5%で、10年前に比べ3・8ポイント増えた。29歳以下に限ると、04年は35・3%で、10年前より10・7ポイントも増えている。
この調査は、医師全員に対して「医師届出票」に氏名や性別、従事する診療科などを記入して報告することを義務付けており、女性医師の数も正確に把握できる。厚労省が医師の需要予測を行う際にも基本データとなっている。
ところが、熊本労災病院の小川道雄院長は「医療現場の現状を正しく反映していない」と批判する。病院勤務医の場合、フルタイムで働いて宿直もこなす医師も、育児があるので宿直はしない医師も、非常勤でフルタイムは働かない医師も、厚労省調査ではすべて同じ「病院の勤務者」と扱われるためだ。
小川院長は「働ける条件の異なる医師を等しく『1人』とカウントしている。育児などの都合で男性医師と全く同じ勤務はできない女性医師も少なくないのに、この調査を基に医師は足りていると結論するのは正しくない」と指摘する。
女性医師が増える中、育児や家事もする女性医師に無理な勤務をさせず、周囲の男性医師にも過剰な負担を負わせないためには、現在の医師数で足りているのか。検討にはまず、正確な実態把握が必要だ。=つづく
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ご意見、ご感想をお寄せください。ファクス(03・3212・0635)、Eメール[email protected] 〒100-8051 毎日新聞社会部「医療クライシス」係。
記事が見つからない場合ウェブ魚拓 http://megalodon.jp/ で探してみてください。
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